2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17300102
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 哲一郎 Chiba University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00202078)
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Keywords | 神経細胞 / 発生・分化 / 神経回路網 / 脊髄 / 哺乳類 / トランスジェニックマウス / 転写因子 / ホメオボックス遺伝 |
Research Abstract |
哺乳類の神経細胞の分化と神経ネットワーク形成の機構を分子レベルで明らかにすべく,マウス脊髄の後角神経系をモデルとして研究を進めた。研究代表者は,今までの研究で,脊髄後角の交連神経細胞の分化運命が転写調節因子のMath1からMbh1へのカスケードで決定されることを明らかにしてきた。今年度は,交連神経細胞の分化と神経ネットワーク形成の分子機構を明らかにすべく,研究代表者が開発した遺伝子導入法で,Math1やMbh1をマウス胎児の脊髄で強制発現させ,得られたRNAをマイクロアレイ法で網羅的に解析した。その結果,Mbh1の下流で機能する遺伝子の候補を多数得ることに成功した。さらに,これらの遺伝子の発現をin situ hybridization法などで詳細に解析し,Mbh1の下流では,神経軸索の伸長を制御するSlitタンパクのレセプターのRoboファミリーやSonic Hedgehogタンパクのレセプターなどが細胞分化や軸索伸長の各ステージで特異的に発現することが示された。これにより,交連神経の軸索がまず底板へ向かい,底板を越えると直角に方向転換し脳へ向かう過程では,軸索伸長に関わる遺伝子の発現がMath1やMbh1の元で精密に制御されていることが明らかとなった。また,Mbh1の発現と機能を脊髄後角と小脳とで比較解析することにより,Mbh1は細胞の分化運命や軸索伸長方向の決定のみならず,神経細胞体を正しい場所へ移動させる上でも必須であることが示された。
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Research Products
(3 results)