2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17300104
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 瞬 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (70304087)
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Keywords | 神経科学 |
Research Abstract |
脳の持つ多くの機能では、神経細胞における遺伝子の発現調節が重要な役割を果たしている。遺伝子レベルの変化を、経時的に且つ脳の広い領域で同時に観察することができれば、脳機能のメカニズムを解明する上で、多大の成果をもたらし得る。本研究では、記憶・学習を始めとした脳機能に対応して蛍光蛋白を発現するトランスジェニックマウスを作成し、脳における遺伝子レベルの変化をリアルタイムに観察する手法の開発を行った。 記憶・学習など、脳に可塑的な変化が生じる際に誘導されるArc遺伝子やZif268遺伝子のプロモーターに、短時間半減期型の蛍光蛋白の遺伝子(レポーター)をつないだトランスジェニックマウスの解析を行った。どちらのマウスも脳でレポーターの発現が見られたが、特にArc遺伝子のプロモーターを使ったマウスでは、大脳皮質や海馬、線条体など、可塑的な変化が起こり易い脳の領域で強い発現が見られた。さらに、このマウスでは、眼からの光刺激に対応して、大脳皮質視覚野に強い蛍光が誘導されることを見出した。この大脳皮質における蛍光の変化を、生きたマウスで経時的に観察するため、麻酔下でマウスの頭蓋骨を削って薄くし、さらにその上から無色透明な樹脂を塗り、頭蓋骨越しに脳が観察できるような処置を施した。この処置により、生きているマウスの大脳皮質の蛍光変化を、経時的に観察することができるようになった。すなわち、脳内の遺伝子レベルの変化をリアルタイムで観察することが可能となった。 今後、この手法を、様々な脳機能の解析に適用していく予定である。
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Research Products
(1 results)