2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経再生現象を誘導する分子発現制御メカニズムの解析
Project/Area Number |
17300113
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木山 博資 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00192021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 寿美子 (桐生 寿美子) 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70311529)
前田 光代 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40122080)
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Keywords | ATF3 / cJun / STAT3 / 神経再生 / Akt / 舌下神経 |
Research Abstract |
損傷を受けた神経が再生する過程で、統合的な発現調節のメカニズムを明らかにすることが本研究の目的である。すなわち複数のマスタージーン的転写制御因子の抽出とその作用機序の解明、さらに転写によらない再生初期過程の駆動メカニズムの解明である。平成17年度は以下の2項目に沿って研究を開始した。 (1)神経再生に必用な分子群の転写を直接制御する制御因子の抽出とその標的遺伝子の同定。我々の従来までの研究により、神経再生過程では、cJun、ATF3、STAT3の3つの転写因子の重要性が示唆された。そこで、神経損傷時に特異的に発現亢進が起こるDINEのプロモーターの活性化に、これらの転写因子がどのように関与するかを検討した。その結果、cJun-ATF3のヘテロダイマーが必須であること、さらにこれにSTAT3が加わることで、プロモーター活性は相乗的に亢進することが明らかになった。さらに、この場合STAT3はDNA結合活性を有せずとも機能することが明らかになった。このことは、STAT3の新たな転写メカニズムを示唆するもので、来年度はこのメカニズムを中心に研究を継続する。また、ATF3とcJunのヘテロダイマーの重要性がますます高まったので、DNAマイクロアレーを用いてこのヘテロダイマーの標的遺伝子の検索を行った。個々の候補遺伝子の解析については、次年度以降に行う。 (2)リン酸化などの転写によらない蛋白修飾による再生機能分子の抽出。PC12細胞を用い、神経再生において重要な役割を演ずるAktによりリン酸化が亢進する蛋白質の同定を試みた。活性化型Aktを発現させたPC12細胞の蛋白を二次元電気泳動し、Aktによりリン酸化された部位を認識する抗体を用いてリン酸化が亢進する蛋白を同定した。この新たな候補分子の機能的意義については次年度に行う。
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Research Products
(3 results)