2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経再生現象を誘導する分子発現制御メカニズムの解析
Project/Area Number |
17300113
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木山 博資 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00192021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 寿美子 (桐生 寿美子) 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70311529)
前田 光代 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40122080)
中込 咲綾 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (60423894)
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Keywords | ATF3 / cJun / STAT3 / Akt / 神経再生 / 舌下神経 |
Research Abstract |
損傷を受けた神経が再生する過程で、多くの分子群の発現制御が整然となされているが、これらの統合的な発現調節のメカニズムを明らかにすることが本研究の目的である。平成18年度は以下の2項目に沿って研究を進めた。 (1)神経再生に必用な分子群の転写を直接制御する因子の解明とその相互作用の解析。 神経軸索損傷特異的に発現が亢進するdamage induced neuronal endopeptidase(DINE)の発現制御について検討してきたが、cJun-ATF3のヘテロダイマーが必須であること、さらにこれにSTAT3が加わることで、プロモーター活性は相乗的に亢進することが明らかになった。これらの転写因子の変異体の解析やプロモーター領域の結合が見込まれるエレメントの欠損遺伝子を作成して解析した。その結果、これらの転写因子は直接dine遺伝子のプロモーター領域には結合していないことが明らかになった。これらの転写因子のdineへの結合は、何らかの別の分子の関与が予想された。プロモーターの様々な領域の欠損遺伝子を作成して、プロモーターアッセイした所、プロモーターのGCリッチの領域がクリティカル出あることが判明した。このよう域に結合する分子として転写因子のSP1が考えられたので、SP1と上述の転写因子間の相互作用を解析した。その結果SP1とATF3-cJunあるいはSTAT3は結合することが明らかになった。 (2)リン酸化などの転写によらない蛋白修飾による再生機能分子の抽出と、リン酸化の再生における意義に関する研究。 神経再生において重要な役割を演ずるAktによりリン酸化が亢進する蛋白質の同定を試みた。活性化型Aktを発現させたPC12細胞の蛋白を二次元電気泳動し、Aktによりリン酸化された部位を認識する抗体を用いてリン酸化が亢進する蛋白を同定した。得られた候補蛋白を質量分析したところ、末梢神経に豊富に含まれる中間径フィラメントのperipherinが得られた。また、このperipherinのAktによるリン酸化部位を決定した。peripherinのAktによるリン酸化の意義については今後の研究を継続したい。
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Research Products
(6 results)