2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体線維組織のリモデリング機構の解明と靭帯再生への応用
Project/Area Number |
17300145
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高久田 和夫 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 教授 (70108223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 富久 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70361714)
永井 正洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 特任助教 (10013971)
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Keywords | 生体力学 / 生体材料 / 力学的刺激 / 組織工学 / 靭帯 / リモデリング |
Research Abstract |
1.経皮端子/人工歯根の軟組織への生物学的固定 経皮端子/人工歯根への応用を目的として,生体側のコラーゲン線維のアンカリングが自己組織化的に生じるマイクロ構造を持つ試験片を作製した.ラット背部皮膚に,皮膚を貫通するように試験片を埋植する実験を行ったところ,アンカリングのための構造を持たない試験片では全試料が脱落したのに対し,アンカリングのための構造を有する試験片では有意に脱落が少なかった.また組織学的にも,コラーゲン線維が人工材料にアンカリングしていることが証明できた.これらの結果より,開発したマイクロ構造を用いれば,歯肉の人工歯根への固定や皮膚組織の経皮端子への固定が可能となり,生物学的封鎖の可能性が示された. 2.靭帯スキャフォールドによる靭帯の再建 疎に繊維が配置しているポリエステル不織布を用いて,繊維間に骨の再生を促進することにより不織布試験片と骨組織との生物学的固定を実現することを目指した.ラビットの実験モデルを利用し,膝前十字靭帯の再建実験を行った.そして8週間経過後に,接合強度の測定と組織観察を行ったところ,キチンが塗布された不織布試験片について,繊維間における顕著な骨組織形成の促進と接合強度の顕著な増加が確認され,生物学的な固定が実現されていることが確認できた.また関節内において軟組織の顕著な増生と強度増加も確認できた.これらの結果より開発したグラフトによる靭帯再建の可能性が示された.
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