2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子進化ファージライブラリー法を用いた感染阻害剤の開発
Project/Area Number |
17300159
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 智典 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00162454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 輝彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (10325251)
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Keywords | ファージライブラリー / インフルエンザ / ペプチド / 感染阻害剤 / 分子進化 / 糖脂質 / ガングリオシド / ヘマグルチニン |
Research Abstract |
糖脂質結合性ペプチドにおいては、これまでにファージライブラリーで探索した配列を用いて、糖脂質への結合性について検討を行った。まず、ガングリオシドGM1を組み込んだ脂質単分子膜に対して、GM1-結合性ペプチドの結合性について検討したところ、糖脂質のクラスターに特異的に結合していることを見出した。またガングリオシドGM3に結合するペプチド配列は、動物細胞に配列特異的に結合することを見出した。次に、糖脂質結合配列の最適化を行うために、ランダムな変異を組み込んだ新しいファージラィブラリーの構築を行った。変異を導入した遺伝子配列の作製が終了した。 インフルエンザヘマグルチニン結合性ペプチドにおいては、既にファージライブラリー法により得られている配列でのインフルエンザヘマグルチニンへの結合性やインフルエンザ感染阻害活性について検討を行った。7残基のペプチド配列に点変異を導入しヘマグルチニンとの結合性を観察し、相互作用に必須のアミノ酸の特定を行った。またin silicoスクリーニングを活用し、ペプチドとヘマグルチニンの相互作用のシミュレーションが可能であることを示した。また、15残基のペプチドではインフルエンザウイルスの動物細胞への感染が阻害されることを見出した。次に、より活性が高い配列を探索するために、分子進化的な手法で変異を導入した新たなファージの構築を目指し、ファージミドの作製に成功した。
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