2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子進化ファージライブラリー法を用いた感染阻害剤の開発
Project/Area Number |
17300159
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 智典 Keio University, 理工学部, 教授 (00162454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 輝彦 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (10325251)
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Keywords | 糖脂質 / ガングリオシド / ヘマグルチニン / ファージライブラリー / インフルエンザ / 分子進化 / ペプチド / 感染阻害剤 |
Research Abstract |
分子進化の方法として、ペプチド配列の改変とペプチドの修飾方法の2つの手法を行なった。 以前にファージ提示法を用いて同定されたインフルエンザウイルスヘマグルチニンに結合する感染阻害ペプチド配列を出発配列としてランダム変異をさせたサブライブラリーの構築を行なった。これまで行なって来たライブラリーの作製では高い多様性のあるライブラリーを作製することが難しかったため、この問題を改善するためにファージベクターの制限酵素切断部位の検討を行った。その結果、これまで用いて来た切断部位をBamHIに変換することにより、これまでのベクターよりも効率よく形質転換できるベクターを作製できた。このベクターを用いてランダムに変異させたライブラリー(15アミノ酸配列のうち平均3.3残基に変異)および結合に関与するモチーフ残基(4残基)を固定したライブラリーの2つを作製した。作製したサブライブラリーを用いてインフルエンザヘマグルチニンに対して親和性選択を行なったところ、これまでの配列と同程度の結合活性を有するペプチドを数種類同定することに成功した。ペプチドはしばしば合成が困難であったり、溶解性が低いことがあり、高い活性を有する類似した配列が必要となるため、今回得られた配列は新たな阻害剤候補である。また、βアミロイドが結合するガングリオシドGM1への結合性を有するペプチドの分子進化工学的手法によるファージライブラリーの作製を行った。上記と同様に制限酵素部位を変換したことにより、効率よくモチーフ部分とそれ以外の部分に勾配をつけた変異を導入した分子進化ファージライブラリーを作製した。
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