2006 Fiscal Year Annual Research Report
高密度三次元培養法を利用した組織構築再現モデル臓器の作成と抗癌剤応答性の包括解析
Project/Area Number |
17300160
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Research Institution | Jikei University |
Principal Investigator |
大川 清 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90112812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50192753)
松浦 知和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30199749)
青木 勝彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80328278)
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Keywords | バイオリアクター / 生体材料 / モデル臓器 / マイクロアレイ / ロテオーム |
Research Abstract |
RFBで得たモデル臓器組織、特に各腫瘍細胞の薬物応答性を中心にRFB培養条件下(モデル癌)での生化学的検討を行い薬物代謝酵素、耐性関連分子そしてアポトーシス関連分子などの発現制御を網羅的解析しデータベース化した。 解析した肝癌細胞は癌由来細胞にも拘らず3次元培養により期待以上のCYP分子種の発現増加がみられた。一方従来薬剤運搬や代謝排泄に関わる分子種には大きな変動は見られなかった。また腫瘍モデルとして肝細胞癌と扁平上皮癌を検討した。3次元培養によりいずれの腫瘍も3次元立体構築形成に必要な細胞骨格や細胞間接着関与遺伝子群の発現調節がみられ、肝細胞癌モデルでは血漿蛋白質産生に変化が見られた。また扁平上皮癌細胞では生体内を模倣した立体的な腫瘍構築の結果として単層培養では得られない幾つかの際立った性格が発現した。この膨大な結果は現在解析中でありしかも多くの新知見が有り、知的所有権の発生も充分考えられる。これらの結果をもとにinvitroにおける抗癌剤の薬物効果についてヒト代替薬効・薬物代謝評価システムの構築を検討した。酵素活性の高いFLC細胞でモデル肝をつくり、単層培養とRFB細胞の薬剤応答性をみるとRFBで薬効は減弱した。発現遺伝子の変動は予想を違えたもので解析中である。また肝細胞癌、扁平上皮癌をモデル癌とした治療実験でも短期治療のため耐性や汲み出し関連の遺伝子発現よりもストレス対応系への影響を認めた。しかしいずれの結果も従来報告が乏しい分野のもので興味を持って解析中である。現在ミニ肝臓(モデル肝)を直列につなぎ(モデル肝を上流にする)、抗癌剤を加えてモデル肝を通過した抗癌剤の効果の変動と代謝を薬剤活性の変動実験を施行中でこの結果を踏まえ本システムの遺伝子発現を包括的に解析しデーターベース化したい。
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Research Products
(7 results)