2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックス専用蛍光相関分光による変形性関節症の早期診断手法の開発
Project/Area Number |
17300166
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
丑田 公規 The Institute of Physical and Chemical Research, 環境ソフトマテリアル研究ユニット, ユニットリーダー (60183018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 晶子 独立行政法人理化学研究所, 環境ソフトマテリアル研究ユニット, 協力研究員 (10322679)
佐藤 正人 東海大学, 医学部・外科学系整形外科学, 講師 (10056335)
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Keywords | 軟骨細胞 / 細胞外マトリックス / 蛍光相関分光 / 異常拡散 / 時空間依存性 / ヒアルロン酸 / コラーゲン / 蛍光ラベル |
Research Abstract |
蛍光相関分光(FCS)を用いて、不均一系に生じる異常拡散現象を測定する新しい装置を開発してきたが、異常拡散を、拡散係数の距離依存性として直接測定できる装置を完成させて、細胞外マトリックスの主たる成分の一つであるヒアルロン酸の水溶液中の拡散係数を測定した。その結果では、ヒアルロン酸網目の作る不均一な場だけでなく、その網目が揺らぎながら時間変動していることによる信号の変化を見いだした。 この装置をさらに改良するために、複数のセンサーから入力する光パルス信号を信号処理することによって、FCSにおいて自己相関関数ばかりでなく、多重相関関数を記録できる装置に改良を進めた。発光のヒステレシスを全ていったんメモリに格納することによりFCCSを初めとして、波長の異なる蛍光どうしのクロス相関も解析できる。すなわち、1つの励起波長と発光波長の測定の場合は2次の相関関数ばかりでなく、4次や6次の相関も測定できる。また2つの色素を用いて異なる波長の発光の相関を測定できる(FCCS)。またこれは2つの離れた領域の相関を同時に測定できるので、本研究で目的とする空間分解マッピングに応用することができる。 一方生きた軟骨細胞の試料を作成するノウハウを確立するためにウサギの足の関節の軟骨細胞を用いて培養試料の作成を始めた。プレパラートに固定した材料の測定はすでにテストしたが今後生きた細胞系の測定に進む予定である。そのために、レーザー顕微鏡に培養システムを直結した実験システムを完成する必要があるので、本年度は顕微鏡を導入するなどその装置の充実をはかった。
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Research Products
(8 results)