2005 Fiscal Year Annual Research Report
手術中に腫瘍の生化学情報をモニタリングするシステムの開発
Project/Area Number |
17300176
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
軽部 征夫 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (50089827)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 和義 東京工科大学, バイオニクス学部, 助教授 (40262109)
加藤 輝 東京工科大学, バイオニクス学部, 講師 (00367195)
中村 秀明 東京工科大学, バイオニクス学部, 講師 (40350508)
苗村 潔 東京工科大学, バイオニクス学部, 講師 (90302752)
秋元 卓央 東京工科大学, バイオニクス学部, 講師 (90367194)
|
Keywords | バイオセンサー / 腫瘍マーカー / 生体分子 / 手術 / 脳腫瘍 / SPR / グルコース / がん |
Research Abstract |
本研究では腫瘍マーカーのタンパク質を特異的かつ迅速に測定するための、抗腫瘍マーカー抗体を利用したバイオセンサーの開発を行なっている。表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance : SPR)現象を利用した方法は、被測定物質の標識を必要としないため、腫瘍周辺の生化学マーカーの直接モニタリングに最適である。我々の研究グループではすでに、光ファイバーと微小なグラスロッドを組み合わせたSPRプローブを用いたバイオセンサーの開発に成功している。そこで今年度は、開発したSPRプローブを用いたバイオセンサーの高感度化の検討を行った。高感度化の方法は次ぎの2つについて検討した。(1)SPRに伴う光の吸収スペクトルの半値幅をより小さくし、安定した光信号を得ることで、装置のS/N比を向上させる、(2)装置内に偏光板を挿入し、吸収スペクトルの吸収極大を強くし安定したスペクトルを得る。 上記(1)を達成するために微小センサープローブの再設計を行った。具体的には、従来直径3mm、長さ15mmであったセンサープローブを、直径1.5mm、長さ50mmのセンサープローブとした。直径を小さくすることで、より平行化された光のみをセンサー面に入射でき、また長くすることで迷光を除去できると考えた。この再設計によって、従来スペクトルの半値幅が約100nmであったのに対し、約60nmに改善された。 上記(2)を達成するために、装置内に偏光板を挿入した光学系の設計を行なった。ここで設計した光学装置と、先の改良後のセンサープローブを用いてSPR吸収のスペクトルを測定したところ、吸収極大が2倍以上に改善された。 以上の改良をあわせて、開発したSPRプローブの測定感度の評価を行なった。この結果、改良前に比較し約10倍程度の感度上昇が確認できた。
|