2005 Fiscal Year Annual Research Report
PDF形式の科学文書をバリアフリー化する視覚障害者用インターフェースの研究
Project/Area Number |
17300189
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Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
山口 雄仁 日本大学短期大学部, 基礎工学科, 助教授 (00182428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昌和 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20112302)
藤芳 衛 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (20190085)
川根 深 日本大学短期大学部, 基礎工学科, 講師 (90234088)
駒田 智彦 日本大学短期大学部, 基礎工学科, 助手 (30360316)
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Keywords | 音声出力 / 視覚障害 / PDF / 数学 / OCR / 触読図 / 点字 / バリアフリー |
Research Abstract |
本研究は大別して,A.音声関係のシステム開発,B.点字関係のシステム開発,C.PDF科学文書用OCRシステム開発の3つの部分から構成される。平成17年度は,それぞれについて以下の研究開発を行った。 Aについては,数式音声出力用インターフェースを発展させ,視覚障害者用数式エディターの日本語版・英語版を,"ChattyInfty"という一つのソフトウェアとして完成させた。さらに鈴木らの開発して来た数式OCRソフトウェア"InftyReader"とChattyInftyを組み合わせ,印刷された科学文書に視覚障害者が自立的にアクセス出来る環境・触読図を利用してOCRのご認識を修正出来る機能などを実現した。 Bについては,開発中の「統一日本語点字(UJB)」の使用環境を整備するため,UJBのUnicode対応表及び変換アルゴリズム表の作成を進めた。また視覚障害者用触読図作成システム"Bplot"について,作図プログラムをより記述しやすくするため,プロッタ制御コマンドの数値パラメータを数字だけでなく文字列で書けるよう,define文等のマクロ・コマンドの使用を可能にした。さらに触読図の表現力を向上させるため,凸点や凸線だけでなく,凹点や凹線も容易に印字可能にするようにmirror文を追加した。 Cについては,PDF文書からテキスト情報を抜き出し,全体の画像から数式部分を認識した結果と組み合わせて,テキストと数式を統合した認識結果を取得する手法を開発した。さらに数式認識の最終段階での処理として,数学記号の意味的役割を考慮した数式記述文法を用いて,数式の構造解析結果の正しさをチェックする手法の研究を行った。また,数学記号認識の性能を上げるために,新たにサポートベクターマシンを用いて数学記号の類似文字を識別する実験を行った。 これらの成果は,バーミンガムで開催された"Sight Village"などいくつかの国際会議で発表した。
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