2006 Fiscal Year Annual Research Report
PDF形式の科学文書をバリアフリー化する視覚障害者用インターフェースの研究
Project/Area Number |
17300189
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Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
山口 雄仁 日本大学短期大学部, 基礎工学科, 助教授 (00182428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昌和 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20112302)
藤芳 衛 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (20190085)
川根 深 日本大学短期大学部, 基礎工学科, 講師 (90234088)
駒田 智彦 日本大学短期大学部, 基礎工学科, 助手 (30360316)
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Keywords | 音声出力 / 視覚障害 / PDF / 数学 / OCR / 触読図 / 点字 / バリアフリー |
Research Abstract |
本研究は大別して,A.音声関係のシステム開発,B.点字関係のシステム開発,C.PDF科学文書用OCRシステム開発の3つの部分から構成される。平成18年度は,それぞれについて以下の研究開発を行った。 Aについては,昨年度に試作版が完成した音声機能付き数式エディター,ChattyInftyの日本語版に関して,表示された内容のテキスト部分・数式部分の両方を,音声だけでなく自動的に現行日本語点字記号に変換して出力する機能を実装した。また英語版については,オレゴン大学のガードナー教授らの協力を得て,視覚障害者が実際にChattyInftyを利用する上での操作生に関する検討を行い,必要な改良を行った。 Bについては,数式を含む理数系の文書のPDFファイルの認識結果を視覚障害者用に点字または点図で出力するシステムを実現する上で,必要となる技術を研究開発している。平成18年度は点字出力に関しては従来のUnicodeバージョン4に対応した点字記号を更新し,バージョン5に対応した点字記号を設計した。また,点図に関しては視覚障害者と晴眼者が協力して出力結果の点図の校正が可能なユニバーサル・デザインの点図作図システムを開発した。 Cについては,科学技術文書に頻繁に現れる表の認識技術を研究開発した。表構造を保持したままセル中の数式・テキストを認識し,結果をChattyInftyに出力する機能を実装した。また,Ghost Scriptに依存せずにPDF文書の認識ができるよう,OCRシステムの改良を行った。認識結果を点字に変換する機能を実現するため,科学文書用かな分かち書きプログラム,点訳辞書,点字エディターなども研究開発した。 これらの研究成果は,オーストリアのリンツで開催されたICCHP2006などいくつかの国際会議・国内研究会で発表した。
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Research Products
(6 results)