2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の転倒・骨折・介護予防のための運動処方・生活指導・教育プログラムの検討
Project/Area Number |
17300216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武藤 芳照 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10143330)
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Keywords | 高齢者 / 転倒予防 / 骨折 / 運動処方 / 介護予防 |
Research Abstract |
下記〔I〕〔II〕〔III〕の研究プロジェクトについて、各の研究事業を実施し、次のような実績を得た。 〔I:転倒・骨折のリスク評価の検討 〕 高齢者の転倒、骨折リスクについて、バランス能力(つぎ足歩行)及び健脚度(10m 全力歩行、最大一歩幅、40cm 踏台昇降)を指標として、運動・生活指導の介入効果がどのように推移するかを検討した。介入により確かに改善・向上するが、介入後1年を経過すると、介入前のレベルに戻る傾向があり、特にバランス機能では、それが顕著であることから、介入後の継続的な指導・教育と、特にバランス機能を意識したプログラムが重要であることが示された。 〔II:複合的運動プログラムの骨粗鬆症と転倒予防への効果の検討〕 東京厚生年金病院の「転倒予防教室」の修了者で、修了後1年間の転倒、骨折を追跡し得た244名において、「教室」入室前と比較して、転倒者の割合は53%に、骨折者の割合は33%に統計学的有意に低減することが示された。しかし、一方、精神、心理面の高揚に比して、身体機能面の向上が呼応しない場合には、活動性の向上が、転倒・転落の機会と場を増大させる結果を生むことも示唆された。 〔III:ビタミンD3の転倒予防効果の検討 〕 東京及び札幌市、愛知県の3つの医療機関において、大腿骨頚部骨折・手術後、研究条件に適格であるかの評価(エントリー)をし、適格症例について、リハビリテーション実施中に、無作為割り付け(ビタミンD3群:ビタミンD3+Ca投与群 vs 対照群:Ca投与群)を行い、転倒回避能力の測定・評価後に、投薬を開始するとともに、定期的に血中骨代謝マーカー、ビタミンD3等の測定を実施しつつ経過を追跡している。現時点で両群各の6例、計12例を観察中である。
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Research Products
(7 results)