2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の転倒・骨折・介護予防のための運動処方・生活指導・教育プログラムの検討
Project/Area Number |
17300216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武藤 芳照 東京大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10143330)
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Keywords | 高齢者 / 転倒予防 / 骨折 / 運動処方 / 介護予防 |
Research Abstract |
1.転倒・骨折予防プログラムの介入が、高齢者の移動能力と骨量にどのような影響を及ぼすかを探る目的で、東京原生年金病院での12週間の運動・生活指導の介入プログラムを完了した中高年192名(男性22名、女性162名)について、移動能力(10m全力歩行速度、最大1歩幅、40cm踏み台昇降、片脚起立)と骨強度(踵骨超音波骨評価)の測定評価値を、プログラム終了後とその後1年時点で比較検討した。その結果、移動能力が高かった者では、移動能力が低かった者に比べ、骨強度が低減していないことが示された。つまり、移動能力を指標として、それを保つことが骨強度を保ち、転倒・骨折予防の効果を持続させることに結びつくこと、特に高齢者に歩行速度を維持することが大切であることを指導、教育することが必要と考えられた。 2.高齢者福祉施設入居者への転倒・骨折予防プログラムの介入がどのような効果をもたらすかを探るために、バリアフリー型高齢者福祉施設入居者117名(男性30名、女性87名;年齢79.1±7.4歳、入居期間1419±872.3日)を対象に、運動・生活指導の介入群(72名)と対照群(45名)とで、その効果について退去(入院)・死亡をエンドポイントとして、比較・解析をした。その結果、介入により入居期間が延長すると共に、生存率が高まり、運動・生活指導を行わない場合、退去(入院)・死亡の相対危険率が3.66倍となることが示された。したがって、転倒・骨折予防のための運動・生活指導の介入は、高齢者福祉施設においては、きわめて重要な役割を持つと考えられた。
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Research Products
(7 results)