2007 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病の予防に対する運動の効果を予測するバイオマーカーの探索
Project/Area Number |
17300222
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高波 嘉一 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部, 准教授 (40206777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下光 輝一 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (90206243)
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (00305575)
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90158410)
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Keywords | 生活習慣病予防 / 運動 / 動脈硬化 / メタボリックシンドローム / バイオマーカー |
Research Abstract |
今年度は、運動を中心とした生活習慣の介入を行い、メタボリックシンドロームの改善に連動して変化する様々なパラメーターを捉えることで、運動関連バイオマーカーの探索を試みた。本年度再び研究代表者の所属機関が変わったため、被験者の募集や運動トレーニングの実施施設を確保するのに苦慮し、介入の開始が予定より大幅に遅れて平成19年12月からの介入となった。運動は京都テルサフィットネスクラブで、エルゴメーターあるいはトレッドミルを用いた有酸素運動(AT強度)を30分、レジスタンス運動とストレッチを30分程度で合計1時間、週2回以上行なわせ、運動トレーニング開始前検査と、現時点で開始後4週、16週の時点での検査まで終了した。介入は現在も進行中である。対象者は運動実施施設の都合により、当初の計画より少ない19名(メタボリックシンドロームの該当者か予備軍)でスタートしたが、医学的な判断や個人の都合により、最終的には13名(すべて男性)となった(今年度再募集し介入を実施して例数を増やす計画中)。平均年齢は45.5歳、平均身長173.8cm、平均体重80.1kg、平均腹囲93.0cmであった。なお介入期間中の平均運動量は38.8Ex/週であった。介入16週後の検査の結果、体重は74.7kg(-5.4kg)、腹囲は85.3cm(-7.7cm)となり、この時点まででメタボリックシンドロームの改善効果が明らかに認められた。また拡張期血圧が83mmHgから77mmHgまで有意に低下し、空腹時血糖も89.3mg/dlから78.2mg/dlに有意に低下した。血清脂質は、トリグリセリドが212mg/dlから112mg/dlに有意に低下したが、HDLコレステロールは上昇傾向は見たものの有意な変化ではなかった。特に、トリグリセリドのみが介入4週後より顕著に低下していたのが特徴的であり、TGリッチリポタンパク代謝に関連する因子が早期マーカーである可能性が示唆された。今後この点を詳細に検討すると同時に、例数を増やすために新たな介入をスタートさせることや対象群を作ることなどを今年度中に実施し、最終報告書に取りまとめる予定である。
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Research Products
(2 results)