2007 Fiscal Year Annual Research Report
身体運動が脳と心に及ぼす効果の解明と健康科学への応用
Project/Area Number |
17300223
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内田 直 Waseda University, スポーツ科学学術院, 教授 (00261181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝田 雄大 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教授 (70367093)
渡邉 丈夫 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 講師 (90409756)
宮崎 真 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (30392202)
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Keywords | 身体活動 / 睡眠 / 気分 / 脳機能 / 前頭葉 |
Research Abstract |
本年度の主たる実験は、2週間の身体運動を行い、その結果として脳機能や気分にどのような変化が起こるのかについての介入実験を行った。被験者は19歳から27歳の運動習慣のない男子学生13名である。実験は2週間の期間で行われた。13名の被験者を無作為に運動群7名、非運動群6名に分け、運動群は計10日間、朝8時からエルゴメーターによる運動課題を実施した。運動課題はあらかじめ被験者に対して測定したV02max値より、その60%(V02max60%)の張度で33分(アップダウンを含む)実施した。非運動群は運動群がエルゴメータをこぐ部屋に毎朝やってきて、運動群が運動課題を行う間安静状態を保った。認知機能を観察する視覚刺激を用いた認知課題には、色識別によるgo-nogo課題とColor-word stroop課題を用いた。 これらの結果として、ボンフェローニの方法で多重比較検定を行った。go-nogo課題はReaction Time、RTSD、およびfalse、missの個数を、stroop課題はReaction Time、faleの個数を評価の対象とした。統計分析は、反復の二元配置分散分析を用いた。 認知課題の結果の変化と運動条件の有無に交互作用が認められたのはgo-nogoRT、StroopRTであった。この2つの結果に対してボンフェローニの方法で多重比較検定を行ったところ、運動群・非運動群ともに運動課題最終日、運動前後に行った認知課題のStroopRTに有為な差が認められた。 今回の結果では、2週間運動を継続することで運動に対しての急性の認知機能改善は見られるが慢性的な改善は見られなかった。来年度は、これらの結果をもとに、運動の方法、脳機能の評価について検討を加えてゆきたい。
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