2005 Fiscal Year Annual Research Report
寝たきりの障害者と介護者のQOL向上をめざす衣生活支援技術の開発
Project/Area Number |
17300233
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
多屋 淑子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20120777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 千恵 日本女子大学, 家政学部, 助手 (10398886)
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Keywords | 寝たきり / 重症心身障害児(者) / 介護者 / QOL向上 / 生活支援 / 障害者用衣服 / 衣環境 |
Research Abstract |
本研究では寝たきりの障害者を取り巻く環境や個人の状況に応じた適切な衣服や寝具を提案することを目指し、個々の障害レベルに応じた適切な着衣および寝具情報を提案し、障害者と介護者のQOLを向上させることを最終目的としている。 今年度は、障害の程度に応じた適切な着衣や寝具情報を提供可能である重症心身障害児(者)の生体情報データベースを構築するための、健常者と障害者の日常生活時における生体情報の長時間モニタリング計測を行った。健常者では健康な女子大学生、また、障害者として寝たきりの重症心身障害児(者)を対象に、心拍数、皮膚温の生体情報、衣服内および室内の温熱環境要素について、全項目同時に計測を実施した。健常者に対する計測では、被験者自身による温熱感覚等に関する申告を行った。障害者に対する計測では、介護者である看護師等が行う介護内容を時刻とともに記録した。なお、本研究の長時間モニタリング手法は非侵襲であり、計測中の被験者に苦痛や不安を与えないよう十分配慮して行った。 健常者に対する長時間の生体情報モニタリング結果には皮膚温や心拍数の変動にサーカディアンリズムがみられ、皮膚温変動が顕著な部位や変動の時間帯には個人差が観察された。衣服内湿度の変動においては、温熱性発汗と考えられる緩やかな上昇、および精神性発汗と考えられる瞬時の上昇が、日常生活時の非定常状態においても観察可能であった。一方、寝たきりの障害者のモニタリング結果からも皮膚温および衣服内環境の変動に個人差がみられ、サーカディアンリズムが正常でない場合も観察された。本研究での知能レベルの異なる障害者を対象にした計測結果から、知能レベルの相違が外環境の変動に対する体温調節機能の反応に影響を与えていることが予測でき、個人の障害に応じて衣服や寝具を適切に調節した場合には、皮膚温の低下が抑制される結果が得られた。
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Research Products
(1 results)