2006 Fiscal Year Annual Research Report
食品咀嚼香発生および感性工学手法による咀嚼香知覚のメカニズム解析
Project/Area Number |
17300239
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
小竹 佐知子 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 助教授 (60233540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久澤 良造 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (40147864)
三浦 孝之 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 助手 (30440069)
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Keywords | 食品 / 放散香気 / 咀嚼 / 牛乳 / 肉製品 |
Research Abstract |
食品を口に含んでいる際に口腔から鼻腔へと抜ける香気(レトロネーザルアロマ)の放散現象を把握する為、スクリュープランジャーを使った口腔咀嚼モデルシステムを用いて液体状食品試料(A牛乳)および固形状食品試料(B肉類、プロセスチーズ)について実験を行なった。 〔A液体状食品試料の場合〕脱脂乳および全乳(乳脂肪3.75%)からの香気放散について検討した。スクリュープランジャー運動を行なう場合(これをレトロネーザル香放散とした)と、スクリュープランジャー運動を行なわない場合(これを鼻孔から嗅ぐオルトネーザル香放散とした)とでは、ジアセチル、2-ヘプタノンの放散香気量は大きく異なったことを報告した(Food Sci.& Technol, Res.12,256-260,2006)。さらに、食品加工でよく用いられるフルーツ香料の脱脂乳および全乳からの香気放散を検討した結果、油溶性香気と水溶性香気とでは放散挙動が異なることが、Proton Transfer Reaction-Mass Spectrometry(プロトントランスファーリアクション-マススペクトメトリー)分析により経時的に把握できた。(投稿中) 〔B固形状食品試料の場合〕和牛(松阪牛ロース、佐賀牛ロース)・輸入牛(豪州産アンガス牛ロース)、5種プロセスチーズ各試料の、パネリストによる咀嚼特性(咀嚼回数、咀嚼時間、咀嚼中分泌唾液量、咀嚼圧力、咀嚼中溶出アミノ酸)を把握した。咀嚼時間と咀嚼回数の間には相関が認められたが、咀嚼時間と唾液量間、咀嚼時間と咀嚼圧力間には相関は認められず、パネリストによるバラツキが大きかった。パネリストは大きく分けて6グループ、すなわち、咀嚼時間が長い-短い、分泌唾液量が多い-少ない、咀嚼圧力が大きい-小さいに分けられた。大きな咀嚼圧力で短時間に分泌唾液量が少い状態で嚥下したパネリストの溶出アミノ酸濃度は、小さな圧力で長時間に多量の唾液で嚥下したパネリストに比べ10倍高く、また、溶出アミノ酸速度は3倍速かった。パネリスト間によりバラツキが大きいことが明らかとなったので、種々咀嚼特性条件を変えたときの、溶出アミノ酸量を口腔咀嚼モデルシステムで測定した結果、このシステムでの咀嚼圧力は0.2N程度であり、これはパネリストのうち、咀嚼圧力の小さいパネリストに相当することが認められた(投稿中)。
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Research Products
(1 results)