2005 Fiscal Year Annual Research Report
科学の資質・能力を育てる学習履歴を重視した評価方法の開発と実践に関する研究
Project/Area Number |
17300247
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
堀 哲夫 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (30145106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 静郎 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (50132692)
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Keywords | 学習履歴 / 教育評価 / ポートフォリオ / OPPA |
Research Abstract |
本年度は、OPPA(One Page Portfolio Assessment)に用いる評価シートの開発を中心にして研究を行った。その中で、目的に応じた科学の資質・能力を育てるOPPシートの開発も行った。研究協力者の協力を得て、以下の三種類のシートを開発、実践し、その成果を日本理科教育学会において7件の発表を行った。OPP評価シートは、目的に応じて活用することが重要であるので、今年度は以下の三種類のシートの開発を中心にして研究を行った。 一つは、授業内容評価や授業改善のための評価シートの開発・研究である。この中にはカリキュラム評価も含まれる。ここでは、中学校理科「原子・分子」と高校生物「遺伝子の本体」を事例にし、実践を行った。 二つめは、学習者が学習履歴から自分の変容に気づき、学ぶ意味や意欲を実感するための評価シートの開発・研究である。ここでは、中学校理科「植物のつくり」を事例にし、実践した。 三つめは、自己効力感を高めるための評価シートの開発・研究である。これについては、高校化学「酸化・還元」を事例にし、実践した。 研究成果として、以下のことが明らかになった。OPPAは学習履歴を重視し、それにより自己の学習の変容を具体的内容を通して可視的に確認できるので、授業内容評価や授業改善、およびカリキュラム評価に利用可能であることが確認できた。また、学習者が学ぶ意味、学ぶ必然性、自己効力感を感得することにも効果的であることが明らかになった。 来年度の課題としては、OPPシートの効果をさらに高めるための改善、他の教育内容に対する適用や開発などをあげることができる。また、OPPAの理論的考察はほとんど行われていない現状があるので、可能な限りこちらの研究も進めていきたい。
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Research Products
(3 results)