Research Abstract |
本研究では,日本とネパール問における環境教育と環境問題の知見を統合し,グローバルな環境教育のための"新たな環境教育モジュール"の構築を行なうことを目的としている。 平成19年度も,これまでの研究成果に引き続き,実証的なフィールド研修の場として,日本人大学生を対象としたネパール現地におけるフィールド研修プログラムを設計した。新たな試みとしてネパールの南部に位置するチトワン国立公園における様々な取り組みを研究対象とし,(1)バイオガス施設の整備プロジェクト,(2)コミュニティ・フォレスト,(3)環境教育活動の3つのメインプログラムを含むプログラムを実施した。これらは協力関係にあるナショナル大学と共に共同開発し,現地における実践的なフィールド教育での成果の他,様々なコンテンツを持ち帰り,二次的な教育素材として活用するための情報を収集することができた。 また,日本におけるネパール学生の研修プログラムを設計し,実施を通じて評価を行った。研修プログラムは横浜市を中心とした廃棄物焼却処理,水再生工場のフィールド研修などを取り入れ,日本の先進技術に関する知見を共有した。また,昨年度と同様,学生シンポジウム"Friendship for Sustainable Asia-Pacific"を開催し,日本とネパールの両国の環境教育や持続可能な発展のための知識交流を実現している。 これらに加え,ネパールのNGO組織であるEducate The Children(ETC),Clean Energy Nepal(CEN),Environment Conservation Initiative(ECI)との連携プログラムを開発した。さらに,チトワン国立公園の地域においてフィールド調査を実施し,環境問題に関する住民意識について分析した。以上の成果は,国内外の学会において継続的に発表を行う予定である。
|