2005 Fiscal Year Annual Research Report
総合的な学習の時間における知識構築型カリキュラムの学習テーマ群開発
Project/Area Number |
17300266
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大島 純 静岡大学, 総合情報処理センター, 助教授 (70281722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 功 静岡大学, 教育学部, 教授 (40210067)
稲垣 成哲 神戸大学, 発達科学部, 教授 (70176387)
大島 律子 静岡大学, 情報学部, 助教授 (70377729)
中山 迅 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (90237470)
山口 悦司 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (00324898)
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Keywords | 知識構築 / 学び / 総合的な学習の時間 / 教授学的原則 / デザイン / CSCL |
Research Abstract |
本研究の目的は,「知識構築としての学び(learning as knowledge building)」の概念に基づいて,我が国の総合的な学習の時間で実施可能な知識構築としての学習群をデザインする事である.プロジェクトの一年目にあたるH17年度は,Marlene Scardamaliaの提唱する「知識構築としての学びの12の決定要因」(Scardamalia,2002)を我が国の学校教育レベルの教育目標として記述できるレベルに簡易化し,その教育学的原則に則って具体的な学習カリキュラムの一部を検討した. 知識構築としての学びの12の決定要因は,協力教師との話し合いを通して次の4つの原則にまとめられた. (1)学習者のアイディアが常に彼らの学習活動の中心におかれるようにすること. (2)学習活動自体が常に全ての参加者の認知的責任(Cognitive Responsibility)を要求するようにデザインされること. (3)多様なグループサイズのコミュニケーションが適切なメディアで支援されるようにデザインすること. (4)学習者自身が自らのアイディアを振り返り,目指すべき最終的な目標に向かって形成的評価を行うような機会を適切なタイミングで提供すること. これらの原則に基づいて,当該年度は「遺伝子組み換え食品」について総合的な学習の時間として実施するためにその学習内容をデザインし,コミュニケーションの道具としてCSCLテクノロジを利用して実践した.デザインは,前年度の実践の際に考えられた方針を,上述した4つの原則に則って反省し,それを修正する形で行われた.対象学習者である小学校5年生のCSCL上の学習活動を分析したところ,そこで話し合われる内容の観点自体がより複雑になり,議論の構造自体もより強固なものになったことがわかった.知識構築としての学びの活動の所産を対話の中の議論の質に基づいて検討するこうした分析から,本年度の学習者は昨年度と比較してより知識構築的な活動に従事したことがわかった.
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