2006 Fiscal Year Annual Research Report
問題学習と適応的指導に基づく協調eラーニングシステムと教授法の開発
Project/Area Number |
17300271
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
前田 隆 北海道情報大学, 情報メディア学部, 教授 (40001317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤間 清 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (50126265)
齋藤 健司 北海道情報大学, 経営情報学部, 助教授 (60326569)
小池 英勝 札幌学院大学, 社会情報学部, 助教授 (60405636)
斎藤 一 北海道情報大学, 情報メディア学部, 助教授 (40337077)
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Keywords | 問題学習 / eラーニング / 教授法 / 協調学習 / 適応的指導 / 教育工学 |
Research Abstract |
本年度は、本研究が目指す問題学習に基づく協調e-Learningシステム構築と新たな教授法の開発について具体的な進展が得られたと評価できる。まず、主として北海道情報大学において進められてきた本システムを実現するプラットフォームであるオープンソースCMS(XOOPS)の機能的分析を踏まえて、中核をなすサブシステムの一つとしてセマンティックWeb技術を利用した適応的教材推論システムに関する基本的な成果が得られた。すなわち、セマンティックWeb技術で記述されたデータと教育的知識(ルール)に基づく推論エンジンをWebサービスとして実装することにより、今後に予定している学習ポートフォリオ・エージェントおよび適切な助言・指導を担うファシリテータ・エージェントにおける推論サービスとして利用可能な基本技術である。また、共有可能な新しい教材作成法に関連して、汎用性の高いSCORMコンテンヅオーサリングツールの開発が進められた。本ツールは、教授者による図表等への参照を含むテキストファイルに対して、XHTML形式を通じてSCORMコンテンツ(SCORM2004準拠)に変換する機能を有しており、基本的にはオープンソースを用いた極めて簡易なオーサリングツールとして実現可能である。 また、本研究の特徴であるe-Learningにおける新しい教授法の開発に関して、従来の教授・学習の基礎理論の再検討を踏まえて、学習内容としての問題学習と系統学習および学習スタイルとしての個別学習と協調学習を組み合わせた4種類の教授法として構成され、これらに対応する種々の学習オブジェクトを活用する適応的指導法としてシステム化する方法とそのXOOPS上での実装について一定の進展が得られた。この中で、従来の協調学習に対して、e-Learningにおける学習者の緩やかな協力関係を基本とする「弱い協調学習」の概念が展開されている。 他方、プログラミング教育方法論を基本とするe-Learningシステム構築を進めている北海道大学における分担者らは、プログラム作成理論として搾り出し法のさらなる検討を行い、その有効性の構造を詳しく探求するとともに、これを基礎としたプログラミング教育のツールを設計・構築した。ここで、学習者は「それぞれの計算段階で得られたアトムをさらに変換するルールを作る」ことができれば、プログラムが作れることになる。すなわち、アトムが与えられたとき、それを変換する正しいルールをどう作るかに関して研究を行い、その結果、論理等価式にもとづくルール作成の理論を得た。これは、論理等価式からルールを構築する方法とその正当性を示した理論である。また、e-Learningにおいて不可欠の自動採点法の開発は重要な課題であるが、札幌学院大学の分担者はWordやExcelを含む形式的なOffice文書作成に対する自動採点方式への拡張に関して検討を行い、実際的な試作が進められた。また、それぞれにおいて、教育効果を上げるための独自の教授法の開発に関して検討・開発が進められている。 これらの研究成果の一部は関連する国内学会・国際会議等において積極的に研究発表が行われた。
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Research Products
(17 results)