2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17300290
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
宇田津 徹朗 University of Miyazaki, 農学部, 准教授 (00253807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 一男 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (50239802)
田崎 博之 愛媛大学, 法文学部, 教授 (30155064)
外山 秀一 皇學館大学, 文学部, 教授 (50247756)
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Keywords | 縄文時代後晩期 / 稲作 / 生産空間立地 / 低湿地稲作 / 畑稲作 / 焼畑 / プラント・オパール分析 / 土器胎土 |
Research Abstract |
本研究は、プラント・オパール分析法を用いて縄文時代後期を中心とした古代稲作の探査を行い、現在は離散的な状態にある稲作遺跡の分布を補完し、縄文稲作の解明に必要不可欠な稲作マップの作成を目指したものである。 本年度は、研究の最終年度であり、これまでに収集・採取した試料の分析を完了させ、その結果にもとづき、以下の2点について検討を行った。 ・四国および中国地方を中心として西日本における縄文時代後晩期の稲作の広がりについて 今年度までに、大分県、山口県、岡山県、大阪府、徳島県、香川県、愛媛県の7つの都府県から、736点の試料を収集することができた。また、そのうち、665点は縄文時代後晩期の試料であり、収集試料については、分析がほぼ完了することができた。今後、追加分析による確認が必要であるが、数遺跡については、イネプラント・オパールが検出されている。四国および中国地方への稲作の広がりについては、愛媛県の文京遺跡について、縄文時代後期の稲作の存在がほぼ確認でき、四国西部への稲作の広がりの一端を把握することができた。 ・縄文時代後期の生産空間立地の推定と今後、調査を進める上で有望な遺跡の検討と選定 愛媛県文京遺跡において縄文時代後期の稲作の存在を示す分析結果(イネプラント・オパールの検出)が、複数の調査地点および遺物から得られた。検出地点の地形分析から、水稲であれば、扇状地の緩傾斜地や微凹地を、陸稲であればその平坦部が生産空間であったことが推定された。 また、当該遺跡では、縄文時代後期に砂層が堆積し土壌化することが繰り返されている当時の地表面が確認されている。生産空間探査とその発掘を行う上では、当時の地表面が保存されていることが重要であり、今後調査を進める有望な遺跡として文京遺跡が挙げられる。
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Research Products
(4 results)