2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17310009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 孝三 九州大学, 理学研究院, 教授 (30244875)
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Keywords | ベーリング海 / 北太平洋亜寒帯 / セディメント・トラップ / 赤道太平洋 / エルニーニョ / ラニーニャ / 生物源オパール / 炭酸カルシウム |
Research Abstract |
ベーリング海及び北太平洋中部亜寒帯海域において、長期時系列セディメント・トラップ沈降粒子フラックス試料を継続収集してきた。これらの時系列試料のうち2002年7月-2005年7月分に関しては、解析が行われていなかった。このうち平成17年度には、基本情報である全乾燥重量、生物源オパール、炭酸カルシウム、有機物、岩石源物質の項目データの取得を終了した。また、今年度には試料保存用冷蔵装置を購入し、時系列沈降粒子試料の分割を促進し、今後の適切な分析・解析のために試料の保存整理を行った。 また、中部亜寒帯海域との比較の為、1997-2000年に得られた北太平洋亜寒帯西部海域のStations KNOT,40°,50°,および2001-2003年に回収されたStations K1,K2,K3のセディメント・トラップ試料のうち珪藻、珪質鞭毛藻、レディオラリア(放散虫)フラックスについての研究を推進した(次ページの成果リスト参照)。 更に、西・中部赤道太平洋沈降粒子フラックス試料(平成10-14年度に行われた文部科学省科学技術振興調整費総合研究炭素循環に関するグローバルマッピングとその高度化に関する国際共同研究)のうち未解析の試料に関しても解析を推進した。特に珪藻およびレディオラリア群集フラックスに関しての分析・解析に力を入れて来た。従来行った1999-2000年の時系列試料の解析では、海洋環境はラニーニャ状態であったのに対し、今回解析を行った2001-2003年の時系列試料はエルニーニョ状態で得られたものであった。これらの異なる環境で生産された生物群集およびその沈降フラックスには、著しい違いが認められた。さらに珪藻およびレディオラリア群集フラックスの中には、これらの海況の指標となる種が含まれていた。これらの有用な結果を公表すべく現在出版に向けての作業中である。
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