2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17310009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 孝三 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 教授 (30244875)
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Keywords | ベーリング海 / 北太平洋中部亜寒帯海域 / 沈降粒子フラックス / 珪藻 / レディオラリア / 気候変動 / セディメント・トラップ / 長期時系列変動 |
Research Abstract |
ベーリング(Station AB)海ならびに北太平洋中部亜寒帯海域(Station SA)において継続収集した長期時系列セディメント・トラップ沈降粒子フラックス試料を、継続収集・解析した。今まで未処理試料の分析・解析を進めた。気候変動の立場から長期的な沈降粒子フラックス変動を考察し、更にPacific Decadal Oscillation(PDO),Arctic Oscillation(AO),El Nino Southern Oscillation(ENSO)などの長期的変動パラメータとの関連の理解を深め、今年度は合計9編の論文出版を行なった。 また、中部亜寒帯海域との比較の為、JAMSETC本多牧生博士らの努力によって1997-2000年に得られた北太平洋亜寒帯西部海域のStations KNOT,40°,50°,および同博士により2001-2003年に回収されたStations K2のセディメント・トラップ試料のうち珪藻、珪質鞭毛藻、レディオラリア(放散虫)フラックスについての研究も推進した。Stations K2の研究は、主として学部4年生3名の卒業研究の一環として行ない、現在日本海洋学会誌の「海の研究」に論文投稿を目指して準備中である。 GCMAPS計画で赤道海域にて過去に取得した時系列トラップ試料について、2002および2003年に得られたエルニーニョ期時系列試料を中心に分析およびデータ解析を進めた。また、これらのデータを、それ以前のラニーニャ期(1999-2001)および移行期のフラックスと比較検討した。特に珪藻およびレディオラリア群集の環境変化によって変化するフラックス変動パターンの詳細を明らかにした。国際誌は、Deep-Sea Researchに原稿を1編投稿した。 更に、ベーリング海および北太平洋中部亜寒帯においては、本年度も北海道大学練習船おしょろ丸夏期航海に参加者を派遣し、北海道大学研究チームと連携してセディメント・トラップの揚集ならびに再設置を行った。これで長期時系列フラックス変動の解析の基盤となる18年目の試料が回収が予定(来年度)された。
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