2005 Fiscal Year Annual Research Report
湖沼における溶存鉄の存在形態分析と鉄利用性がアオコ発成に及ぼす影響
Project/Area Number |
17310013
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
今井 章雄 独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 室長 (40203286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松重 一夫 独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 主任研究員 (40229464)
小松 一弘 独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 研究員 (20391104)
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Keywords | 鉄 / 湖沼 / 存在形態 / アオコ / 溶存有機物 / 河川 / 藍藻類 / フミン物質 |
Research Abstract |
海水中の溶存有機態鉄濃度測定に採用されている吸着濃縮ボルタンメトリー法を,湖水や河川水等の陸水に適用できるように修正した。全溶存鉄濃度分析については,先ず,ろ過サンプルを低圧水源ランプUV照射による前処理(60min)に行って分析を妨害する溶存有機物を分解除去した。UV照射後のサンプルをMilli-Q水で適当に希釈し,そのサンプル10mLを分析用テフロンバイアルに入れた。次に1-nitroso-2-naphthol(NN)溶液(最終濃度20mM),NaCl溶液(最終濃度50mM),Tris溶液(最終濃度10mM,最終pH8.1)を適量添加した。窒素ガスで4minバージした後,臭化カリウム(最終濃度10mM)を添加した。水銀球への吸着は-0.15Vで30sec間サンプルをかき混ぜながら実施した。混合操作を止め10sec後に,電圧を-0.15Vから-0.7Vまで変化させ(differential pulse stripping mode)電流値を求めた。結果として,溶存鉄濃度40nMまではピーク電流値と鉄濃度に良好な線形関係があることがわかった。 溶存鉄の存在形態分析については,ろ過サンプルをMilli-Q水で10倍に希釈して,NN溶液,Tris溶液,NaCl溶液を適量添加した。10mLサンプルの各々に適量な標準鉄濃度を9段階に添加した(添加最終濃度0-25nM)後,一晩平衡化した。NNと錯化した鉄を,窒素バージと臭化カリウム添加後に,吸着濃縮ストリッピング(全溶存鉄と同様)bによって求めた。この手法を霞ヶ浦湖水に適用したところ,鉄と溶存有機物の錯化に係る錯化容量と条件安定度定数を求めることができた。その結果,霞ケ浦湖水では99.9%以上の鉄が有機物と結合した形態で存在することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)