2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境融合型システム設計ツールの開発とそれを用いた持続可能な電力供給システムの構築
Project/Area Number |
17310021
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹下 健二 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (80282870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 武泰 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10313371)
小林 誠 電力中央研究所, エネルギー技術研究所, 上席研究員 (00371609)
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Keywords | 環境影響評価 / LCA / エクセルギー / 再生可能エネルギー / 電力安定供給 |
Research Abstract |
本研究ではシステム各部の持続可能性が一目でわかる図的評価法として「持続可能性評価インディケータ」を含む環境融合型システム設計ツールを開発する。更に開発されたシステム設計ツールを、電力の安定供給を目的とした「東アジアの電力・低品質天然ガスの化学エネルギー変換システム(PEACE Network)」に適用し、各工程の環境インパクトの低減化を図り、再生可能エネルギーを効率的に利用した持続可能な電力供給システムを提案する。申請書の各研究項目に対する研究成果を以下に要約する。 1.「エクセルギーを利用した持続可能性評価インディケータ開発」では、システムの各工程に対する持続可能性評価ンディケータとして熱力学コンパス(エンタルピー変化(ΔH)とエクセルギー変化(Δε)の関係)を適用した。本インディケータによりシステム各工程のエネルギー消費とエクセルギー損失(エネルギー利用の無駄)を同時に評価できるようになった。 2.「環境融合型システム設計ツール開発」では、持続可能性評価ンディケータを含むシステム設計ツールを開発し、生産システムに適用した。生産システムとして溶離包装リサイクルシステム(ポリスチレンリサイクル)を取り上げ、開発されたシステム設計ツールの適用性を検討した。その結果、天然系溶剤を利用した現行回収システムでは溶剤回収系でのエクセルギー損失の大きいことが明らかにされ、低沸点でかつポリスチレン溶解度の高い新溶剤(エチルベンゼン)を用いることでシステムの大幅な合理化が達成できることを明らかにし、本システム設計ツールの有効性が示された。 3.「東アジアにおける電力安定供給システム(PEACE Network)を構成する要素技術の実験的検討」では、本システムの主要な電力供給技術であるケミカルループ燃焼法の開発を行った。ケミカルループ燃焼システムにおける天然ガス燃焼によって発生するCO_2の分別回収を試み、酸素キャリアーであるFe_2O_3-Al_2O_3粒子の装置内循環を改善することで、90%以上の高CO_2回収に成功した。
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Research Products
(2 results)