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2005 Fiscal Year Annual Research Report

二枚貝(貝リンガル、貝メタボローム)を用いた沿岸生態系の影響評価

Research Project

Project/Area Number 17310027
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

本城 凡夫  九州大学, 農学研究院, 教授 (80284553)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 瀬川 進  東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (30092589)
大嶋 雄治  九州大学, 農学研究院, 助教授 (70176874)
島崎 洋平  九州大学, 農学研究院, 助手 (40363329)
Keywords二枚貝 / 沿岸生態系 / 影響評価 / メタボローム / 開閉運動 / 大量斃死
Research Abstract

【目的】
近年、有明海北東部において水産業上重要種であるタイラギ(Atrina pectinata)が夏場に大量斃死を起こすようになり大きな問題になっている。本研究では、夏季のタイラギ大量斃死の原因解明を目的として、タイラギの貧酸素に対する耐性を嫌気呼吸代謝物である有機酸(乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、フマル酸およびコハク酸)の濃度変化で調べると共に、その殻開閉運動を貝リンガル(東京測器製)で調べた。
【方法】
2005年2月に同干潟(殻長11.4cm)と沖合(殻長13.3cm)で採取したタイラギを実験室で1日馴致後、両タイラギ各6個体から閉殻筋を採取して凍結保存した。また両タイラギ各3個体ずつ30Lパンライト水槽3個に入れ窒素ガス暴気で6時間貧酸素状態にした。暴露後貝を取り上げて閉殻筋を採取して凍結保存し,後日閉殻筋における有機酸の濃度をHPLCを用いて測定した。さらに同時に採取した両タイラギ各4個体にホール素子センサーを装着し、5日間馴致後、貧酸素条件下で6時間貝リンガル装置を用いて殻体開閉運動を記録して貧酸素に対する行動を解析した。
【結果及び考察】
好気条件下における干潟および沖合のタイラギ閉殻筋の有機酸濃度に有意な差は見られなかった。しかし、貧酸素条件下に6時間おいた沖合タイラギ閉殻筋中のリンゴ酸濃度は干潟タイラギの159%と高く(p<0.05)、逆に同タイラギのコハク酸濃度は、干潟タイラギの41%と低かった(p<0.05)。よって沖合タイラギではリンゴ酸からコハク酸への代謝阻害とそれによる嫌気耐性の低下が示唆された。またほぼ同時に行った貝の殻開閉運動試験の結果、沖合タイラギは貧酸素暴露開始40分後から激しい開閉運動を開始し、貧酸素条件下6時間における開閉回数は平均9回/時と干潟タイラギの約5倍多かった沖合タイラギでは嫌気呼吸の代謝経路阻害が起こって嫌気耐性が低下し、貧酸素状態に耐えられず開閉運動を行ったと考えられる。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] Effects of tributyltin maternal and/or waterborne exposure on the embryonic development of the Manila clam, Ruditapes philippinarum

    • Author(s)
      Inoue S, Oshima Y, Usuki H, Hamaguchi M, Hanamura Y, Kai N, Shimasaki Y, Honjo T.
    • Journal Title

      Chemosphere 2006 (in printing)

  • [Journal Article] Tributyltin contamination of the bivalves in coastal areas around northern kyushu, Japan.

    • Author(s)
      Inoue S, Abe S, Oshima Y, Kai N, Honjo T.
    • Journal Title

      Environmental Toxicology 2005 (accepted)

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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