2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17310029
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
小田 秀典 Kyoto Sangyo University, 経済学部, 教授 (40224240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八杉 満利子 京都産業大学, 経済学研究科, 客員研究員 (90022277)
上田 完次 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (50031133)
北村 隆一 京都大学, 大学院・工学研究所, 教授 (60252467)
横尾 真 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20380678)
飯田 善郎 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (50273727)
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Keywords | 実験経済学 / リサイクル / 耐久消費財 / マルチエージェント |
Research Abstract |
1.カーボンフットプリントを導入した社会システムにおける意思決定と制度設計 1つの商品の原料採掘から廃棄に至るまでに排出されたCO2量を商品に提示するカーボンフットプリントは,消費者へ環境意識を促したり,企業の環境活動を活性化させたりすることを目的に実用化に向けて活動がなされている.ただし,商品へCO2量を添付するだけで,本当に循環型社会構築できるかどうかは今のところ定かではない。そこで,ゲーム理論を用いて情報の完備性として表現し,経済的な意思決定の問題として扱う.数人の購買者からなる単純なモデルを構築し,被験者実験によって分析した結果,カーボンフットプリントの添付だけでは環境配慮行動が充分に誘発されないことが示された.また,環境配慮行動を促進するための制度として,消費者個人に排出上限を与えるルールの有効性などについて分析を進めている. 2.不完全情報下でのネットワーク外部性を伴う市場での製品普及に関する研究 ネットワーク外部性が働く市場において,他人の使用状況が分からないような情報が不完全な状況下で,どのように新製品が普及するかについて分析を行っている.消費者2人,生産者1人からなる単純なモデルを構築し,エージェントベースシミュレーションと被験者実験によって,情報が不完全な場合に新製品が普及しやすい傾向があることを示した.さらに,初めに購買を行う意思決定者の限定合理的な行動が強く影響して,ナッシュ均衡から逸脱する場合が多いことを示した. 以上に加え、3.環境パフォーマンスを含んだ投資意思決定の分析、4.映画産業における座席指定付きオークションメカニズムの提案、5.映画会員制度の経済実験についての実験と理論分析を行い、成果を発表した。
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Research Products
(4 results)