2007 Fiscal Year Annual Research Report
自然界の微生物共生系を模した"単純な人工の活性汚泥"の構築とその利用
Project/Area Number |
17310042
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 秀夫 University of Tsukuba, 名誉教授 (40015657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 秀紀 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (00251025)
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Keywords | 複合微生物系 / クロレラ / ケミカルコミュニケーション / フィジカルコミュニケーション / レクチン / EOC / 共生 / 混合培養 |
Research Abstract |
人工の微生物共生系型複合系を構築するための模倣対照となる自然界の微生物共生系のモデルとして、これまで長期間純粋分離されずに継代培養されてきてきたChlorella sorohiniana IAM C-212株(東京大学分子細胞研究所)より分譲:クロレラと3種のバクテリアおよび1種のカビで構成されている)を研究に用いた。このクロレラを中心とした共生系に着目し、その共生形態を解析し、クロレラと微生物との接着型の共生形態に関与する種々の物質(レクチン様物質やゲル状粘着物質)の解を行なった。その中で特に、細胞間の接着に関わるクロレラの細胞外多糖(sheath)に焦点を当て、その形成メカニズムの解析を詳細に行った結果、sheathの形成にはクロレラが菌体外に排出する光合成産物由来の有機炭素化合物(EOC:extracellular released organic carbon)と培地中の2価の金属とが密接に関わっている事を明らかにした。さらに、そのメカニズムを模倣することで、sheathを介した接着型の微生物共生系を人工的に構築する手法を開発し、接着型の共生形態が微生物間の相互作用を密接にすることを示した。また、開発した手法を用いて実際に、クロレラとプロピオン酸分解菌(人工の微生物共生系の構築に適した、プロピオン酸分解菌を自然界から独自にスクリーニング)を組み合わせた微生物共生系型複合系("単純な人工の活性汚泥")を構築して廃水処理へ応用した結果、クロレラ単独では分解ができないプロピオン酸を含むモデル廃水の迅速な処理に成功した。
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Research Products
(3 results)