2007 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧直流放電による水蒸気プラズマを用いた含ハロゲン廃棄物の処理
Project/Area Number |
17310043
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 隆行 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (40191770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 義夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30092563)
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Keywords | 大気圧プラズマ / 熱プラズマ / 水プラズマ / 水素製造 / フロン分解 / ハロン分解 |
Research Abstract |
本研究では,水蒸気プラズマを大気圧下の直流放電によって発生することに注目し,水蒸気プラズマによって,オゾン層破壊物質あるいは地球温暖化物質であるフロン,ハロン等のハロゲンを含む廃棄物に対する新しい処理方法を開発することを目的とし、大気圧で発生する直流放電水プラズマによって廃棄物を分解し、その分解挙動を調べた。 冷却水を直接放電領域に吹き込むことによって、水蒸気プラズマが発生する。この水蒸気プラズマは外部冷却水が必要でないため、90%以上の熱効率を得ることができる。また、プラズマガスを発生させるためのボンベがいらないため、システムの小型化、コストの低減が可能となる。 HFC-134a(CF_3CH_2F)、HFC-32(CH_2F_2)、CF_4の分解機構を調べるために、水蒸気プラズマの下流にHFC-134a、HFC-32、CF_4を吹き込むことによってこれらのガスを分解した。HFC-134aやHFC-32の分解ガスは主に水素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタンであった。CF_4の分解ガスは主に二酸化炭素、水素、一酸化炭素、酸素であった。HFC-134aやHFC-32の供給量を増加させると、分解率と回収率は減少し、一酸化炭素とメタンの濃度は増加した。HFC-134aやHFC-32の分解時、熱分解の副生成物と考えられるCF_4は検出されなかった。これは、水素や酸素がCF_4の再結合を防ぐためであると考えられる。 次に有機系廃棄物の模擬物質としてエタノール水溶液、メタノール水溶液を使用した。冷却水にエタノールまたはメタノールを混ぜることによって、エタノールやメタノールを分解した。エタノールとメタノールを分解したガス中には水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンが含まれていた。水素のモル分率は60-70%であった。この結果より、有機系廃棄物から合成ガスを作り出せることが示唆された。エタノールやメタノールの濃度を増加させると、一酸化炭素とメタンの濃度が増加した。
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Research Products
(15 results)