2005 Fiscal Year Annual Research Report
建物解体材の再利用を視野に入れた木造建物接合部の創製
Project/Area Number |
17310048
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
井上 正文 大分大学, 工学部, 教授 (60128337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 圭 大分大学, 工学部, 助手 (00325698)
井上 雅文 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (20263155)
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Keywords | 接合具 / リサイクル / リユース / 解体材 / 木質材料 / 圧密 / シアプレート / 変形性能 |
Research Abstract |
本研究は、年々深刻化する地球環境問題、とりわけ廃棄物処理の問題に対しての解決策のひとつとして、解体時に分別する必要がなく、ノコギリやチェンソーで切断することが可能な木材や竹材,またそれらを圧密強化した高性能木質材料を利用して、従来木造建築に多用されている金属製の接合具(釘やビス、プレート類など)の木質化を試みるものである。 特に本年度は、まず接合具の木質化にあたって、それらに求められる強度性能や耐久性、またその法的な位置づけなどの問題点の洗い出しと、既往の研究などの調査・検討を行った。 その上で、シアプレート接合に着目し、木質シアプレートを製作するための材料として、竹材を用いた集成材やLVL、またそれらを圧密強化した材料、スギ材を用いた集成材やそれらを圧密強化した材料など、様々な材料を試作した。また、それらの材料の材料試験を行い、シアプレートへの適合性を検討した。 これらの結果を基に、数種類の木質シアプレートを試作し、それらを用いた接合部の引張試験を行った。この結果、圧密竹LVLを利用したシアプレートでは、鋼製のシアプレートと同様の挙動を示し、同等の強度性能を発揮した。また一方でスギ材を利用したシアプレートを用いると、シアプレートの横圧縮変形のより優れた変形性能を発揮する可能性が示唆された。 これらの結果より、木質シアプレート接合では、シアプレートに使用する木質材料の種類によって様々な性能の接合部を製作することが可能であり、鋼製のものと同等の強度性能を持つ接合部を実現することやさらに高い変形性能を付与することも可能であると考えられる。 今後はシアプレートの更なる性能向上を図るとともに、ともに用いるボルトなど開き止め用部材の木質化の検討を行う必要がある。
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Research Products
(2 results)