2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子ナノマシンの光スイッチングを目指した人工DNAデバイスの構築
Project/Area Number |
17310066
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅沼 浩之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20282577)
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Keywords | DNA / アゾベンゼン / オルト位 / メチル基 / 光制御 / 2,6-ジメチルアゾベンゼン / 光応答性DNA |
Research Abstract |
本申請研究では、1)分子ナノマシンの光スイッチングに適した光応答性DNA(=人工DNAデバイス)を開発し、2)これまで提案されてきた分子ナノマシンに光スイッチング機能を付与させる。これによって分子ナノマシンやDNAコンピューターの機能を、特定波長の光照射のみでON-OFFスイッチングすることを目指す。 17年度は、よりclear-cutな光制御を実現するためアゾベンゼンの化学修飾を検討した。DNAの主鎖から遠い位置に存在するベンゼン環のパラ位をメチル基で修飾したアゾベンゼンを合成しDNAに導入ところ、未修飾のアゾベンゼンと比較してtrans-体でDNA二重鎖を不安定化しcis-体では安定化してしまい、光制御能は大きく低下した。一方メタ位に導入した場合では未修飾のアゾベンゼンとほとんど同じ挙動を示した。しかしオルト位(2位)にメチル基を導入したところ、trans-体は安定化しcis-体では不安定化したため、trans-cis異性化に伴うTmの変化(ΔTm)は未修飾のアゾベンゼンより2倍向上した。更にもう一方のオルト位(6-位)にメチル基をもう一つ導入したところ、ΔTmは3倍に向上した。この2,6-位それぞれをメチル基で修飾したアゾベンゼンを12merのDNAに1分子導入しただけで、trans-cis異性化によって最大50%光制御可能なことが判った。このようにオルト位をメチル基で修飾することで、光制御能を大きく向上させることに成功した。
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Research Products
(3 results)