2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子ナノマシンの光スイッチングを目指した人工DNAデバイスの構築
Project/Area Number |
17310066
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅沼 浩之 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (20282577)
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Keywords | DNA / アゾベンゼン / オルト位 / メチル基 / 光制御 / 2,6-ジメチルアゾベンゼン / 光応答性DNA |
Research Abstract |
本申請研究では、1)分子ナノマシンの光スイッチングに適した光応答性DNA(=人工DNAデバイス)を開発し、2)これまで提案されてきた分子ナノマシンに光スイッチング機能を付与させる。これによって分子ナノマシンやDNAコンピューターの機能を、特定波長の光照射のみでON・OFFスイッチングすることを目指す。 18年度は17年度の成果を踏まえ、アゾベンゼンのオルト位(2',6'・位)へのメチル基導入による光制御効率向上のメカニズムを解析した。NMRによる構造解析から、Trans-2',6'-ジメチルアゾベンゼンでは導入したメチル基と上下の塩基対とのスタッキング相互作用で二重鎖が安定化されることが判明した。一方cis-体ではメチル基の立体障害で隣接する塩基対形成が大きく阻害されるため融解温度が大きく低下することが、コンピューターを用いた分子モデリングから示唆された。これらの解析結果は、DNAの主鎖に近い側のベンゼン環のオルト位(2,6-位)でも同様の効果が期待できることを示唆している。そこで主鎖に近い側のベンゼン環の2-位をメチル化したアゾベンゼンをDNAに導入したところ、無置換のアゾベンゼンと比較して期待通り光制御効率が向上した。さらに興味深いことに、17年度合成した2',6'-ジメチルアゾベンゼンは高効率光制御のみならず、cis-体の熱安定性も従来の無置換型と比較して約10倍改善されることも見出した。 以上のように、オルト位をメチル基で修飾したアゾベンゼンをDNAに導入することで、光制御効率と(融体の熱安定性の両方が大きく向上することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)