2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子ナノマシンの光スイッチングを目指した人工DNAデバイスの構築
Project/Area Number |
17310066
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅沼 浩之 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (20282577)
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Keywords | DNA / アゾベンゼン / 光制御 / 分子マシン / 分子ピンセット / 光応答性DNA |
Research Abstract |
本申請研究では、1)分子ナノマシンの光スイッチングに適した光応答性DNA(=人工DNAデバイス)を開発し、2)これまで提案されてきた分子ナノマシンに光スイッチング機能を付与させる。これによって分子ナノマシンやDNAコンピューターの機能を、特定波長の光照射のみでON-OFFスイッチングすることを目指す。19年度は18年度の成果を踏まえ、これまでに開発した光応答性DNAを活用して、本申請研究の最終目的である光応答性分子マシンの構築と、駆動を目指した。 ここではYurkeらが以前に構築したDNAを燃料とする分子ピンセットをベースにした、光駆動型分子ピンセットを設計・構築した。Yurkeらが構築した分子ピンセットの動作原理(分子ピンセットが開いた状態から閉じた状態への動き)は、燃料としてDNA(=Fuel DNA)を添加して分子ピンセットのオーバーハング部位とハイブリダイズさせることに基づいている。Close→Openの動作は、Fuel DNAと相補的なDNA(anti-Fuel DNA)を新たに"燃料"として添加し、分子ピンセットを閉じる際に添加したFuel DNAをオーバーハング部位から引き剥がすことで行う。つまりこの設計では、Fuel DNAとanti-Fuel DNAを交互に添加しないと作動しないため、Fuel/anti-Fuelが系内に蓄積されてしまい、ピンセットの開閉操作を繰り返し行うと、劣化した。それに対し我々は、18年度に開発した光応答性DNAをFuel-DNAとして使用し、可視光-UV光照射でピンセットを開閉できるように設計した。その結果、設計どおりに可視光を照射することで分子ピンセットは閉じ、UV光照射で開いた。この分子ピンセットの開閉操作は、anti-fuel DNAを必要とせず、可視光-UV光照射のみで劣化を伴わずにピンセットの開閉操作を繰り返すことができた。以上のように、当初目標に掲げた光駆動型分子マシンの構築に成功した。
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Research Products
(35 results)