2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノミクロ機能性新素材設計シミュレーション・システムの開発と応用
Project/Area Number |
17310067
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大野 かおる 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (40185343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 聡 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (90377094)
大槻 勤 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50233193)
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Keywords | 第一原理計算 / GW近似 / T-matrix理論 / オンサイトクーロンエネルギー / 2電子波動関数 / 時間依存密度汎関数理論 / 光捕集機能 / 電子励起 |
Research Abstract |
◎我々はこれまでに我が国の数少ない完全オリジナルな第一原理計算手法として「全電子混合基底法」を開発し、これを基にナノミクロ機能性新素材設計シミュレーション・システムを構築した。そして、多体摂動論に基づくGW近似により、Geクラスターの準粒子エネルギー・スペクトルの全電子計算を行った(Physical Review B74,195410;1-6(2006))。また、GW近似から1電子グリーン関数を決定し、これに基づいてさらに2電子間のクーロン相互作用による多重散乱をT-matrix理論により取り扱って2電子グリーン関数を求めるプログラムを開発し、原子・分子のダブルイオン化エネルギー・スペクトルに続いて2電子波動関数を精密に決定することに成功した(J.Chem.Phys.125,114108;1-6(2006))。また、この計算手法をTTTAラジカル分子結晶に応用し、高温相のMott絶縁相におけるオンサイトクーロンエネルギーUを見積もり、電子間の強いクーロン反発によりクーロン孔が生じ、これがUの値を大きく減少させることを示した(Chem Phys Chem.7,1820-1824(2006))。さらに、時間依存密度汎関数理論による全電子分子動力学シミュレーションにより、Li_2とCH_4のナノコンポジットにおける光捕集機能のダイナミックスを調べることに成功した(J.Chem.Phys.125,054501;1-6(2006))。 ◎この他、エンリッチメントアルゴリズムに基づくモンテカルロシミュレーションにより、両溶媒中の高分子ブラシのエントロピーの計算を行った(Macromolecules 40,723-730(2006))。
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