2007 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴的相互作用を利用した1分子の力学・電子物性計測
Project/Area Number |
17310069
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新井 豊子 Kanazawa University, 自然科学研究科, 教授 (20250235)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富取 正彦 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授 (10188790)
村田 英幸 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (10345663)
|
Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / 相互作用力 / ナノ材料 / 化学結合力 / 表面・界面物性 / 非接触原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
【表面局在相耳作用分光法の高感度化】超高真空極低温環境で動作する走査型相互作用分光顕微鏡の開発を進めてきた。本年度は装置本体の全面的な改造を行い、振動・電気ノイズの低減をめざした。また、相互作用分光スペクトルなど大量なデータを解析するソフトをLabVIEW言語により開発を進め、周波数シフトデータを力の次元に変換するソフトが完成した。また、従来のカンチレバーに変わる高感度力センサーの開発に向けて、東北大学との共同研究で、水晶Z板を用いて、屈曲振動させるタイプと、伸縮振動させるタイプの水晶振動子カセンサーを設計・試作した。 【化学的にもよく規整された先鋭化探針の作製】清浄Si探針先端にGeを蒸着して特異なファセット構造をもつGeクラスターを成長させ、そのクラスターの頂点を探針として利用する。探針を大気中AFMでGeクラスター探針を用いたところ、未処理のSi探針に比べて像の解像度が改善した。また、Geクラスター探針を摩滅させた後、超高真空中で500℃に加熱すると再び先端にクラスターが成長した。Geクラスター探針は安定なファセット面で囲まれているため非常に安定な構造であり、加熱により再生能カがあり、何度でも同じ電子状態の探針を作れることが示唆された。 【機能分子試料の調製】一般的に有機電子デバイスは、ガラス上のITO膜上に形成される。しかし、ガラス上のITOの表面粗さは、その表面に形成される単分子の長さ、またはそれ以上に大きい。そこで、現実デバイスどの整合性を取りながら機能性単一分子の結合性、電気伝導性を表面局在相互作用分光法により調べるため、原子レベルで平坦なエピタキシャル成長ITO薄膜を単結晶YSZ基板上に形成する。本年度はITOのエピタキシャル成長条件を探った。原子レベルでフラットなITO基板をアミノ化し、両端にアルデヒド基を持つπ共役系分子と反応させる。
|
Research Products
(9 results)