2005 Fiscal Year Annual Research Report
透光性ナノクリスタル蛍光体の創製と波長変換型光学デバイスへの応用
Project/Area Number |
17310076
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
磯部 徹彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30212971)
|
Keywords | ナノ材料 / ナノ蛍光体 / 光物性 / ディスプレイ / 固体素子照明 / LaPO_4:Ce^<3+>,Tb^<3+> / ZnS:Mn^<2+> / SiO_2 / 電子・電気材料 |
Research Abstract |
圧力容器中で行う液相合成法(ソルボサーマル法)によって140℃で反応を行うと、透明な緑色蛍光体LaPO_4:Ce^<3+>,Tb^<3+>ナノ粒子分散液が得られた。さらに、反応温度が分散液の透明性に与える影響、およびポリリン酸添加による発光特性の変化について検討した。150℃以下で合成した分散液は透明、160℃では白濁したゲル状試料が得られた。粒径分布を動的光散乱法(DLS)により測定した結果、各試料の粒子径は160℃では49.5±10.3nmであるのに対し、150℃以下で合成した試料は合成温度によらず8〜11nmであった。一方、160℃で合成した試料のTEM像は5nmほどの粒子が観察された。TEMとDLSによる粒径の差違は1次粒子のネットワーク構造に起因すると考えられる。透析・ポリリン酸添加の各操作により発光強度は増大し、Ce^<3+>による励起ピークが増大したが、Tb^<3+>による励起ピークは逆に減少した。Tb^<3+>の4f軌道は5s5p軌道の内側にあるため結晶場の影響を受けにくい。一方、Ce^<3+>の5d軌道は結晶場の影響を受けやすい。このことより、透析・ポリリン酸添加によって分散液中の粒子表面に吸着する分子が、Ce^<3+>の結晶場に影響を与えるものと推察される。また、逆ミセル法により合成した粒径約5nmのZnS:Mn^<2+>ナノ粒子についても検討した。ZnS:Mn^<2+>/SiO_2ナノ粒子を樹脂封止してナノ蛍光体分散シートを作製し、PL特性を検討した。その際、シリカ被覆にシリコーン樹脂と同じくメチル基を持つメチルトリエトキシシラン(MTES)やトリメチルエトキシシラン(TMES)を用い、さらに粒子が溶媒中に分散した状態で樹脂封止することにより、分散性の向上を目指した。
|
Research Products
(1 results)