2006 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学バイオリソグラフィーの開発と細胞チップへの応用
Project/Area Number |
17310080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 松彦 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (20273592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 隆 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00333857)
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Keywords | 細胞チップ / 電気化学 / マイクロ電極 / バイオアッセイ / バイオチップ / マイクロ流路 |
Research Abstract |
本年度は,細胞接着をその場でコントロールする電気化学バイオリソグラフィーを,平面内での細胞接着の制御に留まらず,既に付着している細胞の増殖や伸長のパターンをin-situで誘導する技術,ならびに,チューブ状の構造体の内部に細胞を配置する技術としての可能性を検討した。具体的には,以下の2項目を研究した。 1.細胞をパターン状に固定しておき,そこに電気化学バイオリソグラフィーを行なうことによって細胞接着が可能な領域を書き足すことで,細胞遊走のナビゲーションを行なった。HeLa細胞を用いて遊走する経路の幅が遊走速度に与える影響を系統的に調べ,幅60マイクロメートルより広い経路では遊走速度が一定であることを明らかにした。シクロヘキシミドやノコダゾールなどの薬剤が与える遊走活性への影響を調べ,妥当な結果を得た。さらに,血管内皮細胞の遊走をナビゲートして管空構造形成のダイナミクスを解析する実験系の構築にも取り組み,予備的な成果を得ている。このテーマで本格的に結果を得るのは19年度であるが,十分に準備が整った。 2.シリコンチューブ内壁の任意の部分に細胞接着を誘導する試みも行った。ステンレスの針を電極とし,電解液を満たしたシリコンチューブに突き刺した状態で臭化物イオンの酸化電位を印加し,チューブ内壁の改質を行なうことに成功した針電極を抜いた後は,液漏れは認められなかった。また,細胞を局所に固定した後に,それ以外の領域を細胞接着性に変化させる手法も編み出したので,チューブ内に二次元の共培養系を造り出せるようになった。繊維芽細胞と肝細胞の共培養,繊維芽細胞と血管内皮細胞の共培養,血管内皮細胞同志の共培養が出来ることを確認した。
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Research Products
(2 results)