2007 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップ型ゲノムDNA単分子操作・解析デバイスを目指した要素技術研究
Project/Area Number |
17310081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小穴 英廣 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 講師 (20314172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲津 正夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10201162)
加畑 博幸 京都大学, 医学研究科, 科学技術振興准教授 (70293884)
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Keywords | DNA / 単分子解析 / マイクロマニピュレーション / 光ピンセット / マイクロ流体デバイス |
Research Abstract |
本研究課題においては,(1)狙った一つの細胞からMbオーダ-(mmオーダー)のゲノムDNAを断片化することなく単離する。(2)単離したDNAの高次構造を制御し,単分子解析が容易な形態にして解析を行う。(3)解析後のDNAに対し,鎖上での空間的位置情報を押さえた上で興味ある塩基配列部分を回収する。という実験操作を全て顕微鏡下で連続的に行えるマイクロ流体デバイス開発を目指した。要素技術の確立を目的としている。 今年度は,1)ゲノムDNAの展開固定および溶液環境を変化させてDNAの高次構造を制御するマイクロ流体デバイスの改良および,2)高次構造変化のメカニズム解明に重点的に取り組んだ。 1)ゲノムDNAの展開固定および高次構造の制御を行うマイクロ流体デバイスの改良 PDMSで成型した微細流路中のマイクロピラーにDNA懸架させて固定する方式は前年度と同様である一方で,ピラーアレイのレイアウトを最適化し,効率良く全長数百マイクロメ-トルのゲノムDNAを固定,展開することに成功した。また,流体の流速を圧力制御でコントロールする方式を採用し,より精度の高い流速制御を実現できるようにした。このデバイスを用いて,DNA凝縮剤を流し込んだところ,ゲノムADNAが凝縮する様子をリアルタイムで観察する事に成功した。また前年度と同様に高塩濃度溶液を流し込み凝縮剤の解離を行ったところ,DNAが脱凝縮する様子が同様に観察され,改良したマイクロ流体デバイスが十分に機能していることが確認された。 2)高次構造変化のメカニズム解明 ゲノムDNAが凝縮する際の挙動を,画像解析により定量的に調べた。その結果,凝縮の際にDNAファイバー上で起こる核形成,成長は,微細流路中を流れる凝縮剤溶液によって生じる流体力学的抵抗と相関のあることが分かった。
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Research Products
(1 results)