2005 Fiscal Year Annual Research Report
MEMSとバイオ分子モータを融合したナノ搬送デバイス
Project/Area Number |
17310082
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90134642)
竹内 昌治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90343110)
横川 隆司 立命館大学, 理工学部, 講師 (10411216)
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Keywords | MEMS / Micro TAS / モータタンパク / キネシン / 微小管 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画の中で以下の三点を課題として取り上げた.(1)微小管の極性を配向する技術,(2)微小管を正確にパターニングする技術,(3)マイクロ流体システムを用いた高速の溶液組成制御.この中で特に(1)と(2)の技術を融合して成果を得ることができた.具体的には,マイクロ流体デバイス内で微小管の極性を配向し固定する技術を確立し,その微小管を用いて物体の搬送実験に成功した. 使用したマイクロ流体システムは,フォトリソグラフィで製作したマイクロ流路と電子線リソグラフイで製作したナノ流路を有する.マイクロ流路内でグライディングアッセイを長時間行うと,直径5nmの微小管はナノ流路内に進入する.アッセイ時間,ナノ流路の幅,微小管の濃度などのパラメータを最適化することによって,1本の微小管をナノ流路内に導入することができた. 次にナノ流路内に導入した微小管を固定する技術を確立した.微小管がアッセイ中に動いている場合,その先端はマイナス端でありそのまま基板上に固定することができれば極性を配向することができる.そこで,ナノ流路内に進入した1本の微小管に紫外線を照射して固定した.これはアッセイ時には活性を持ち微小管を搬送していたキネシンが,紫外線の照射によって失活したためと考えられる.本研究では,様々なフィルタを組み合わせ420-500nmの波長において最も効率よくキネシンを失活させることができることを見出した.さらに照射時間60秒程度で微小管を固定できることを明らかにした. ナノ流路内に固定した1本の微小管上で,新たにキネシンを付加したビーズを駆動することによって微小管の極性を確認した.このことは,紫外線照射によってキネシンのみが失活し,微小管はその機能を保持していることも示している.今後は,この技術を応用して複数の微小管を固定し,効率の良い物体搬送を行うシステムの構築を目指す.
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Research Products
(6 results)