2006 Fiscal Year Annual Research Report
MEMSとバイオ分子モータを融合したナノ搬送デバイス
Project/Area Number |
17310082
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90134642)
竹内 昌治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90343110)
横川 隆司 立命館大学, 理工学部, 講師 (10411216)
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Keywords | ナノテクノロジー / マイクロフルイディクス / モータタンパク質 / 分子搬送 / 分子ソーティング / キネシン / ダイニン / 微小管 |
Research Abstract |
平成18年度の研究では、これまでに蓄積したマイクロ・ナノデバイス内でのモータタンパク質の駆動・制御技術に基づき、ナノ物体搬送システムの高度化を目指した。 (1)マイクロビーズの双方向搬送 二種類の分子をそれぞれビーズに付加して、これらをモータタンパク質の動きによってソーティングするために、ビーズの双方向搬送実験をおこなった。これまでに、極性を配向した微小管を用いて、ビーズを一方向に搬送する技術を確立している。そこで、この微小管配向を二本の微小流体チャネル内でおこない、互いに逆方向の極性を持つように微小管を配置した。二本のチャネルに垂直に設置したチャネルからキネシンを付加したビーズを導入すると、チャネル交差部においてビーズは微小管上に固定される。一方のビーズはストレプトアビジン、もう一方のビーズはProtein Aによりコーティングされているので、これらと特異的結合するビオチンと抗体(anti-mouse IgG)をチャネルに導入してビーズ上に固定する。ビオチンと抗体はそれぞれ異なる蛍光色素でラベルしてあるため識別が可能である。最後にATPを導入すると双方向へのビーズ搬送を実現できた。 (2)ダイニンによる微小管の極性配向 従来、微小管の極性配向技術はキネシンのグライディングアッセイに基づいておこなってきた。しかし、この方法では常に特定の方向への極性配向しか実現できない。これは、キネシンが常に微小管のマイナス端からプラス端に向かって動くためである。そこで、キネシンとは逆にマイナス端に向かって動くダイニンを用いた配向技術を検討した。ダイニンのチャネル内への固定方法や配向に用いる灌流流速の最適化により配向を実現し、キネシンビーズの動きによってキネシンの場合とは逆に微小管が配向していることを確認した。今後、キネシンとダイニンを併用した配向技術の検討をおこなう予定である。
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Research Products
(4 results)