2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17310084
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中山 喜萬 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20128771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 義彦 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50285300)
秋田 成司 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (60202529)
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Keywords | カーボンナノチューブ / モータ / NEMS / マニピュレータ / 透過電子顕微鏡 / 滑り |
Research Abstract |
1.高精度透過電子顕微鏡マニピュレータの開発 透過電子顕微鏡(TEM)に脱着可能なTEMマニピュレータを開発した。二つステージを備え、AステージはZ動、BステージはX、Y動がピエゾ駆動により可能。また、Aステージは500℃まで加熱可能である。 2.カーボンナノチューブ(CNT)の選別 TEMマニピュレータで操作する個々のCNTのカイラリティ同定のため、ラマン散乱法を検討した。しかし、TEM内に組み込んだ光ファイバー・レンズ系のNA(光取込角)が十分でなく、一本のCNTからの信号検出は困難であった。これについて金属プラズモンを利用した光増強法を検討し、500〜900倍の散乱光増強を得、検出の可能性を示した。また、TEM内に組み込んだ光学系のNA増大の改良も進めている。 3.層間滑りとカイラリティの関係の解明 2層CNTの内外層間の軸方向層間滑り力計測の準備段階として、2本の2層CNTを沿わせ、その間に働く滑り力を重なり距離の関数として測定した。化学気相合成法で製作したCNTの場合、滑り力は重なり距離に比例して大きくなるが、通電加熱処理したCNTでは重なり距離に依存せず、ファンデル・ワールス(vdW)力に支配されることを見いだした。つまり、kTモーターの実現には、CNTの前処理が必須である。また層間に働くvdW力に関して層数を変化した多層CNTのバックリングから検討した. 4.「kTモーター」に要求されるカイラリティの理論的検証 内層長さ100nmで外層長さ20nmの2層CNTにおいて、内層を固定し外層の動きを温度の関数として、経験的分子動力学計算法により調べた。二つの層共にカイラル型の場合、層間ポテンシャルの対称性が破れているため、ラチェット機構が有効に働くことを期待していた。対称性が破れた例として(14,8)(8,4)を調べ、80K以上の温度で、単一方向に回転することを確認した。今後、さらに条件を変化し,ラチェット機構が働く組合せの範囲を明らかにする。
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Research Products
(1 results)