2008 Fiscal Year Annual Research Report
滞留人口分布の時空間分析に基づく地域防災計画に関する研究
Project/Area Number |
17310093
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大佛 俊泰 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (00211136)
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Keywords | 滞留者 / 移動者 / 時空間分布 / パーソントリップ調査 / 都市防災 / 地理情報システム / 大地震 |
Research Abstract |
大震災に伴う人的被害については「時々刻々と変化する人々の都市内滞留分布をどのように想定するのか」という基本的,かつ,根本的な問題に大きく依存することから,推計モデルの改良だけでは克服できない困難な問題に直面している。具体的には,時刻や曜日などに応じてダイナミックに変化する都市内滞留者・移動者の空間分布を直接観測することは極めて困難であるため,従来までの市街地大火等を想定した広域避難シミュレーションなどにおいては,国勢調査等から得られる夜間・昼間人口分布が用いられてきた。しかし,東京都市圏では,交通網の高度化を背景に人々の都市内移動が非常に活性化しており,スタティックな人口分布をもとにした従来までの議論には限界がある。そこで,平成10年東京都市圏パーソントリップ調査のデータを用いて「どのような人(性別・年齢)が,いつ(時刻),どこで(場所・施設),何を(目的)しているのか」といった人々の時空間行動特性を記述するモデルを構築し,従来まで曖昧で不十分な想定をもとになされていた各種分析の精緻化を図るために必要となる原データの構築方法を確立した。すなわち,昨年度までに構築してきた「施設内滞留者モデル」「鉄道利用者モデル」「自動車利用者モデル」「平日のパーソントリップデータを構成するモデル」「帰宅行動意思モデル」の一体化を図り,「いつ(時刻),どこで(場所),どのような人(属性)が,どのような目的で,どのくらい(数),滞留・移動しているのか」を推定することのできる方法を確立した。最後に,平成17年度から平成20年度までに行ったすべての研究成果のとりまとめを行い,研究成果を学術論文として広く社会に公表した。
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