2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の認知・行動・感情特性に基づく新しいジェロンテクノロジー製品・環境設計指針
Project/Area Number |
17310094
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅室 博行 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (80251651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 亮子 慶應義塾大学, 環境情報学部, 専任講師 (80383917)
伊藤 納奈 産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (80392588)
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Keywords | 認知科学 / 知覚 / 感情 / ジェロンテクノロジー / 加齢 / 人間生活環境 / 設計 / 眼球運動 |
Research Abstract |
本研究では従来のジェロンテクノロジーの枠組みを拡大し、高齢者の感覚・知覚を含む認知特性・行動特性・感情特性を長期間継続して調査し、高齢者の技術利用との関係を明らかにすることで、製品や環境の設計に新たな観点からの指針を与えることを目的とし、本年度は以下の成果を得た。 (1)高齢者の技術利用に関連すると考えられる認知・行動・感性の諸特性の要因およびその測定方法について文献レビューにより調査を行った。 (2)(1)で特定した認知・行動・感性特性のうち、測定方法が確立しているものについて実際に高齢者を被験者とした測定を行なった。同時に被験者の技術を用いた製品やサービスの利用の動向もあわせて調査した。 (3)高齢者の感覚・知覚・認知特性と技術利用の間の関連について、家電を対象として情報収集および実際の利用時の知覚・認知・行動を眼球運動測定・行動観察・インタビューにより調査した。その結果パンフレットの情報で記憶に残るものは一部であること、使用に際して利用者から見て影になる部分が見られず混乱をもたらす場合が多いこと、利用者の思い込みにより間違った操作が起こることなどを明らかにした。 (4)高齢者の環境内での行動特性の解明のため、行動に必要な情報及び行動を制御するための情報受容方法について眼球運動測定及び主観評価により調査した。その結果環境内でのスムーズな行動にはエッジ情報の視認性が重要であること、空間全体に影響するグローバルな視環境とローカルな視環境とのバランスが重要であることが明らかになった。 (5)高齢者の製品利用に影響を及ぼすと思われる感情特性およびその計測方法について検討を行った。 (6)(2)〜(5)で収集した高齢者の認知・行動・感情特性の情報をデータベースとして整備した。 (7)(6)に蓄積されたデータを用いて、時間変化を考えない1時点での高齢者の認知・行動・感情の諸特性の測定値と実際の技術利用の傾向について関連を分析した。
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