2005 Fiscal Year Annual Research Report
大規模災害の事前事後における消防活動支援および情報共有化システムに関する研究
Project/Area Number |
17310101
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
滝澤 修 独立行政法人情報通信研究機構, 情報通信部門セキュリティ高度化グループ, 主任研究員 (20358865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久田 嘉章 工学院大学, 建築学科, 教授 (70218709)
細川 直史 独立行政法人消防研究所, 基盤研究部, 主任研究官 (80358796)
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Keywords | RFID / GIS / 被災情報 / 被災調査 |
Research Abstract |
研究代表者らは、研究分担者および研究協力者と共に、RFID(電子タグ)を用いた、大規模災害時の情報収集システムの開発を進めている。本補助金では、RFIDリーダ・ライタ、GPS、GIS(地理情報システム)と携帯型パソコンを組み合わせた、被災地調査システムの開発を行っている。 被災地調査用RFIDリーダ・ライタは、情報通信研究機構が開発を進めているもので、2.45GHz帯の電波を使うパッシブ(無電池)型RFIDに対して、書き込み及び読み取りを行うアンテナと制御パソコンとから構成される。一方、被災地調査用GISは、工学院大学と消防研究所がそれぞれ開発した被害情報収集システムをベースにしたもので、情報収集した位置を地図上で指定し、その位置における情報を付加するものである。今年度はこの両者を統合し、被災地に設置されたRFIDから電子的に情報を収集する機能、および調査結果をRFIDに書き込んで被災地に残す機能を開発した。統合システムでは、被災地調査用GISアプリケーション側からRFIDリーダ・ライタを起動させる方法をとっており、RFIDに書き込み読み取る情報を入出力するウィンドウを地図上に重畳表示する。 開発した統合端末を用い、平成17年度に実施されたフィールド実験に2回参加した。東京都北区上十条五丁目(9月4日)における実験では、約500m四方の町内に火災3箇所、建物倒壊15箇所、道路閉塞3箇所を模擬的に設け、各被災場所にRFID付きの看板を設置し、調査者は調査端末を携行し、(1)初見の調査者が被災状況(倒壊判定、要救助者数など)を目視判定してRFIDに書き込み、(2)別の調査者がRFID上の情報を読み取って被災情報を収集し、災害対策本部に集約するという実験を行った。実験では、調査者あるいは実験者のミスによるものを除き、概ね設計通り動作した。愛知県豊橋市(11月20日)においても同様な実験を行い、良好な結果を得た。これらの実験成果は、電気新聞(11月18日)、電経新聞(11月21日)、世界日報(12月26日)などで報道され、またシステム制御情報学会システムインテグレーション部門講演会で発表した(12月17日)。
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