2006 Fiscal Year Annual Research Report
市民の理解を得るための災害危険度情報の等級化と情報提供手法の研究
Project/Area Number |
17310111
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Research Institution | Fuji Tokoha University |
Principal Investigator |
重川 希志依 富士常葉大学, 環境防災学部, 教授 (10329576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 浩敬 富士常葉大学, 環境防災学部, 教授 (80340131)
田中 聡 富士常葉大学, 環境防災学部, 助教授 (90273523)
土岐 憲三 立命館大学, 理工学部, 教授 (10027229)
中川 一 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144393)
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Keywords | 危険度情報 / 災害対応 / 感染症 / 災害エスノグラフィー |
Research Abstract |
(1)危険度情報の表現方法ならび危険性レベルの共通化 既に何らかの形で危険度の等級化がなされている災害等の事象について、中・長期な時間スケールのなかで実施すべき事前の備えの観点、あるいは災害発生時の人命安全確保の観点などから、危険度情報の表現方法ならびにその情報が意味する危険性のレベルの共通化を図れるものを特定し、その共通化を試みた。対象事象は、ハリケーンカトリーナ、インドネシアスマトラ島地震津波、豊岡水害等における被害発生状況分析を行い、潜在的な危険性を特定できる現象に対する土地利用手法、避難手法などの諸対策のあり方と、その情報を一般市民に周知するための情報提供手法を検討した。 (2)感染症等の危険性の表現手法の検討 SARSやBSE、鳥インフルエンザ問題のように危険度情報の危険度レベルが等級化されておらず、危険性と対応措置の判断をすることが困難な事象について、(1)と同様に危険性のレベルが共通化可能なものを抽出し、その共通化を試みた。特に対応者側の観点から、これらの事象下において医療行為などの対応を実施する際の安全性確保手法に関して、感染症やNBC災害などを前提とした対応マニュアルを作成した。さらに、現代社会に存在する様々な健康を脅かす危険性に対する健康危機管理手法の検討を行った。 (3)市民社会での受入れの可能性ならびに有用性の検証 地震や津波、洪水、感染症など様々な災害について等級化を試みた危険度情報が、市民の納得を得て具体的な防災行動に結びつくかの検証を実施した。前年度実施したこれまでの災害時の調査のデータを整理し、災害エスノグラフィーを作成した上で、それに基づきワークショップを開催した。その結果、危険度情報を市民社会が受け入れ、適切な防災行動に結びつけるためには、危険度情報の提示だけでは限界があり、過去の被災状況などをつぶさに読み取ることができる災害エスノグラフィーによってもたらされる災害の追体験感と災害プロセスの理解が同時に必要で合えることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 災害医療体系2006
Author(s)
原口義座, 友保洋三
Total Pages
247
Publisher
災害医療体系編纂グループ
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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