2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムの維持と再編の両方に関与する利己的な動く遺伝子
Project/Area Number |
17310113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 一三 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30126057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 直史 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 産学官連携研究員 (00396855)
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Keywords | ゲノム / 利己的遺伝子 / 制限酵素 / 動く遺伝子 / ゲノム進化 / 細菌ゲノム / 病原細菌 / ファージ |
Research Abstract |
(1)制限酵素修飾酵素遺伝子の自己増殖とホストの対応。 (1-1)増幅した制限修飾遺伝子が自己を安定に維持することを証明した。複数の制限修飾遺伝子の間にゲノムのメチル化をめぐるホスト殺しによる競争が在ることを証明した。 (1-2)EcoRI制限酵素遺伝子のプロモーターをマップした。そこからの転写をEcoRI遺伝子内にある逆向きプロモーターが阻害する事を示した。EcoRI修飾酵素遺伝子のプロモーターをマップし、その活性に上流のDNA領域が影響する事を示した。 (1-3)制限修飾系遺伝子発現に影響するホスト(大腸菌)の遺伝子機能を複数発見した。 (1-4)トランスクリプトームの解析。制限修飾遺伝子の存在と、その喪失によるトランスクリプトームの変化を追跡した。 (1-5)制限修飾系の侵入に対し大腸菌がメチル化ゲノム切断による自殺型防御機構を持つ事を証明した。 (2)制限酵素修飾酵素遺伝子とゲノム再編。 大腸菌での制限修飾遺伝子のIS(トランスポゾン)に助けられての転移が、制限酵素活性に依存して起きる事を証明した。 (3)理論的・情報学的解析:制限修飾遺伝子によるゲノム多型形成の痕跡の探索。 (3-1)手に入る種内複数の細菌のゲノム配列を網羅的に比較して、制限修飾遺伝子の関与したゲノム多型の形成機構を推測した。制限修飾遺伝子の多型についても考察した。 (3-2)制限酵素による切断の相同組み換えによる修復が、進化する条件を明らかにした。 (4)新しいフォールドを持つ制限酵素。 制限酵素PabIが、新しいフォールドを持つ事を示した。そのベータシートからなる「ハーフパイプ」構造でDNAを挟み、滑っていくというモデルを提唱した。活性に関与するアミノ酸を実験で推定した。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Novel protein fold discoverd in the PabI family of restriction enzymes2007
Author(s)
Ken-ichi Miyazono, Miki Watanabe, Jan Kosinski, Ken Ishikawa, Masayuki Kamo, Tatsuya Sawasaki, Koji Nagata, janusz M. Bujnicki, Yaeta Endo, Masaru Tanokura, Ichizo Kobayashi.
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Journal Title
Nucleic Acids Research 35
Pages: 1908-1918
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