2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞保護作用を示す新規シクロペンテノン分子プローブの創製と活用
Project/Area Number |
17310124
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
古田 享史 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40173538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 洋子 岐阜大学, 工学部, 准教授 (50271523)
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Keywords | シクロペンテノン / アポトーシス / パーキンソン病 / プロスタグランジン / 神経保護 |
Research Abstract |
PC12細胞におけるマンガンイオン誘発アポトーシスを抑制するフェニルチオ置換シクロペンテノンプロスタグランジン類縁体について、ベンゼン環上に様々な置換基を導入した誘導体や側鎖修飾体を合成し、アポトーシス抑制作用における構造活性相関を検証した。具体的には、パラ位にメトキシ基、アセトアミド基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基を導入したアリールチオ誘導体、ベンゼン環をナフチル環、ベンズイミダゾール環、ベンゾフラザン環に置き換えた誘導体を設計し、それぞれ対応するアリールチオールとエポキシシクロペンタノン中間体との塩基条件下での開環-脱離反応によって合成した。さらに、12位の立体異性体、ω側鎖を水素に置き換えた化合物、ω側鎖とα側鎖を入れ換えた誘導体、ω側鎖にエーテル酸素を導入した誘導体などを、三成分連結PG合成法を鍵反応として合成した。合成した化合物の抗アポトーシス活性を評価した結果、アミノ置換体、カルボキシ置換体、ニトロ置換体が無置換体に比べて活性が向上し、細胞毒性も著しく低下することがわかった。その他のアリールチオ誘導体は抗アポトーシス活性は認められるものの、毒性が強くでることが明らかとなった。また、12位の立体異性体およびω側鎖エーテル体についても抗アポトーシス活性の向上と毒性の低下が認められたが、ω側鎖の除去や両側鎖の入れ替えを行うと活性が失われることがわかった。次に、フェニルチオ型化合物のアポトーシス抑制作用における細胞内シグナル経路の解析を行った。その結果、化合物はカスパーゼ-9の活性化を濃度依存的に抑制していることが明らかとなった。さらに詳細な解析を行った結果、JNK経路の下流のc-Junのリン酸化からカスパーゼ-9の間に位置するシグナルを阻害していることを見いだした。
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Research Products
(5 results)