2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17310129
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
市川 善康 Kochi University, 理学部, 教授 (60193439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 啓二 高知大学, 理学部, 講師 (50399747)
小槻 日吉三 高知大学, 理学部, 教授 (80093954)
|
Keywords | 天然物化学 / 生体機能分子 / 抗生物質 / 有機化学 / グリコシル化反応 / アミノ糖 |
Research Abstract |
グリコシンナスペリミシンDは、梅沢らによって放線菌類Nocardia種より単離されたアミノ糖系抗生物質である。グラム陽性菌や陰性菌に対して幅広い抗菌スペクトルをもち、新規な2つのアミノ糖(アミノ糖AとB)、桂皮酸とスペルミジンから構成されている。さらに、2つのアミノ糖がウレアグリコシド結合を介して連結するという特異な骨格を有している。本研究は、D-グルコサミン塩酸塩を出発原料とした、右側のアミノ糖の効率的な合成法の確立を目的とした。 D-グルコサミン塩酸塩のアミノ基をメチルカルバメートとし、ヒドロキシル基をアセチル化した。ルイス酸として四塩化スズを用い、フェノールのグリコシル化を行った。さらにアセチル基を加水分解して、トリオールを再結晶による精製で得た。ここで確立した手法を用いて、100グラムスケールの合成によりフェニルグリコシドを合成した。田辺等の手法を用いて、トリオールの一級ヒドロキシル基をトシル化して3位のヒドロキシル基を選択的にピバロイル化した。分子内置換反応で4位の立体化学を反転する目的でトリフレートに誘導した。トリフレートを含水THF中で炭酸水素ナトリウムで処理すると、分子内置換反応が進行して、4位がピバロイル化されたガラクトサミングリコシドを収率よく得た。次に3位のヒドロキシル基をアセチル化して、フェニル基をヨード化した。さらに水酸化バリウムを用いて、ピバロイル基、アセチル基とメチルカルバメートを加水分解した。アミノ基をTroc化して3位の水酸基をベンゾイル化した。得られたベンゾイル体は、以前に開発した合成ルートの重要中間体と一致した。これにより、100gのスケールでD-グルコサミン塩酸塩を出発原料としてアミノ糖Aの中間体を大量合成した。
|
Research Products
(9 results)